:世界平和実現のための日韓関係の構築を!
                   
                Date: Thu, 29 Aug 2013 08:18:08

 人類の歴史は戦争の歴史であったと言っても過言ではありません。
個人と個人の些細な争いから始まって、家庭と家庭、部族と部族、民族と民族、
国家と国家等の争いの歴史で今も継続しています。

 ところで、戦いの武器の変遷から見て、当初、棒切れや石ころから始まって、刀、
弓槍、さらには飛道具や大砲、戦闘機まで創り、20世紀に至っては、ついに宇
宙究極のエネルギー、核の扉まで開き、原・水爆の製造やまた細菌兵器まで生み
だしました。
 石原 莞爾が『世界最終戦争論』で予言しているように、正に人類は戦争を終焉
しなければならない時代へ突入しています。

 戦争から平和へのパラダイム大転換は、「存在とは何か」、存在論の大革命にあ
ると思います。

 人類は「存在が個物である」ということと、「存在は個物と個物の繋がり、連体で
ある」ということも、知っています。西欧では前者が、東洋では後者の概念が発展
して来ました。個物は存在が明らかですが、個と個の繋がりは一見見えない、引力
の世界です。“西欧の物質文明、東洋の精神文明”と言われてきたように、目に見
えない世界を重視して来た東洋では{縁、関係性」に重きを置いてきました。
現代世界を席巻しているグローバリズム、資本主義、科学技術文明は西欧の土壌
から花咲いたものです。しかし、今や人類は、目に見えない“個と個の関係性、連体、
場”に目を注ぐべき時です。

 その最も基礎単位は家庭です。「人間とは何か」先日ハイデッカーの研究会があ
りましたが、実存主義は部分的なものです。小生は大胆にも実存主義の欠けた3
つの視点を提示し、批評しました。その1つが「人間は単なる単独者ではなく、家庭
的存在でもある」ということです。

物体と物体を結ぶ万有引力、電磁場があるように、個と個を繋ぐ力、愛・空気・場の
エネルギーがあります。小生はこのことに関して10年間の知的ボランティア活動を
総括して書きました。⇒「日本の未来構想」(上・中・下)

人類がこれ以上戦争や紛争を続けられないのは、まだ他にもいくつか理由があり
ます。
科学・技術の急激な発達は、人類に便利で快適、豊かな生活をもたらした半面、
資源の枯渇、深刻な環境問題をもたらしています。
さら規格化、標準化された科学技術文明は、人間の個性を奪い、非人間化を齎す
ことは20世紀初頭から多くの文明評論家が警告してきた通りです。

現代世界の危機は、単なる物理的危機ではありません。貧富差、価値観の相剋等
の問題の本質は、存在(事実)と価値は別であるとの2元論に起因します。
存在(事実)自体に価値を含むものであること、これが古くて新らしい存在の実相
です。我々東洋人は「物心一如」「物にもある」と観てきまいた。
       (⇒フォーラムで宣言文でもふれています)

 存在から価値を峻別するとは、存在から神を分離することで、科学技術の発達と
ともに、神を忘れた世界、あるは公然と神を否定した世界に突入している群れもあ
ります。この社会的実験にそろそろ審判をくださなければならない時代に入ってい
ます。何のための科学か?何のための技術なのか?何のための豊かさなのか?
真摯に問うべきときです。

 神は全知・全能と言われて来ました。人間は科学により全知に、技術により全能
であるかのごとく錯覚しています。しかし、「神は愛なり」というように全知、全能の
機能は愛と一体なのが宇宙の真理です。「自然に帰れ」との神道的(汎神論)な
志向は、その背後に「神秘」を感じるように、神の内容を見出すべきと考えます。

 科学技術の発展にプラス面があることは、申すまでもありません。特に携帯電話、
インターネットの発展は目覚ましいものがあります。わずか20年にもならないのに、
世界70億人類をネットでつなぎ、人類一家族の有機的世界を現出しつつあります。
それはまさに60兆とも言われる人体細胞が、神経で結ばれ、頭脳の命令一下、
躍動しているのと酷似しています。

 人体構造のように、いずれ人類は、人類という全体の一部として、一人1一人が
家庭を基盤として繋がり、暮らす時代が、すぐそこまで近づいています。
人体は過・不足なく必要に応じて助け合っています。大気中に無数のばい菌があっ
てもそれを消化できる免疫性をも保持しています。怪我をしても全細胞が一丸に
なって傷を治すために動員されます。

 東北震災1つをを見てもそうです。人々は、世界で悲惨な光景をTVや新聞で見て
いますが、どう対処すれなよいのか判らないだけで、これが有機的に繋がれば、
人体のごとく即刻反応するようになることでしょう。人々は幸せを求めているからです。
そして本当の幸せは、自分だけでは得られものでは無く、共に喜ぶこと(関係性)に
あるからです。

 日韓の現状を多くの人が憂えています。も第3国が世界的覇権を握ろうと虎視眈々
と狙っています。このまま、自国に固執して喧嘩ばかりしていては、両国とも地上から
消えてなくなるかもしれません。

 今こそ韓・日は自国の存続のみではなく、もう1つの存在の世界、共存・共栄・共義
のビジョンを構築し、信頼と愛情で共同体(連体)を形成すべきときです。かつての軍
事力をむき出しにした国家権力による日韓併合ではなく、世界平和実現のための韓日
融合です。そのための平和への糸口は、両国が「世界平和のために何が為せるかを
話会うことからではないでしょうか?

 先日聞いた話ですが、東北震災に対して、韓国は当初、400億円の義捐金を送ると
報道されていましたが、6億円しあ集まらなったか。韓国より小さな台湾でも200億円。
これは独島(竹島)問題、従軍慰安婦問題の報道が大きく影響しているとのこと。
争っても互いに良いことは1つも無い。互いに気分がさらに悪くなるだけで、被災地の
人々にとっては天災に加えて、人災で鞭打つようなものです。

 20年余に渡って日・韓・朝の非核平和ゾーンの準備して来られた人もいます。
ぜひ皆さまの叡智によって、希望溢れる東アジア、世界平和の未来を築こうではあり
ませんか?
  
2013年8月29日
            NPO法人未来構想戦略フォーラム代表・国際文化研究所所長
            地球市民機構(市民国連)副理事長・日韓文化交流協会理事
            
                      大脇 準一郎  拝

「米国同胞の我が民よ! 祖国が汝に何を為し得るかを問い給うなかれ、
 汝が 祖国に何をなしうるかを問い給え!
 地球市民の同胞よ! 米国が汝が国の為に何を為してくれるかを問い給うなかれ、
 吾らが人類の自由の為に、共に何を為し得るかを問い給え!」

                            1961年1月20日 John F. Kennedy 就任演説