愛郷運動のすすめ

はじめに

    日本の未来構想にご関心をお寄せの皆様、大脇です。

 安倍内閣、経済の再生から憲法改正、教育の再生と3段跳び、戦後先送りされ
た政策課題を解決し、"「普通の国家“として確立する日本の切り札と理解して
います。安倍内閣は、祖国、故郷を守る「ふるさとづくり推進会議」(仮称)を
ちかぢか立ち上げるとのことです。先の安倍内閣では「美しい日本」でした。

 ふるさとづくりの基本的運動理念として起草したのが下記の草案です。ふるさ
とづくり、愛郷心の起源は家族愛にあること、日韓、日中と難しいい国際関係に
ある今、西欧文明を救済するという大義を掲げ、グローバリゼーションで見失って
いる家庭愛を東アジアの3国が自国文化の伝統を見つめ直し、再生する必要性を
訴えるものです。日本から始めて、隣国を誘い、世界平和実現の起爆剤となる
ことを期待します。
 日常の茶飯事に追われ、十分な内容ではありませんが、ご笑
納賜り、更なるビジョンの発展の契機になれば望外の光栄です。この文の推敲に
あたり、幾人かの先生方のご協力をいただいたことをご報告し、感謝を申しあげます。

 小生の提案の要点は下記の3点です。

 1、現代文明は、個人を基盤とした、切り花文明であるため危機に陥っている。
 2、これを救済する主体は、個の繋がりである連体を強調する東アジア3国
   である。
 3、 東アジア3国は、複眼思考で未来の対峙すべきである。長期的には、現代文
   明救済(新文明創造)という大義の旗を掲げて、世界平和の実現に貢献する。
   これと併行して、当面の短期的課題の解決に取り組み、相互のコンセンサス
   作りを目指して中期目標の策定に務めるべきである。

 御賛同の方、ご批判の方、ご意見をお待ちしています。以下提言メッセージです。

     
  

   愛郷運動を進めよう!

   愛郷運動は家庭を基盤とした、故郷、国家、
    アジア、世界、天地に広がる愛の伝搬運動である

1●故郷は生命の源

 故郷(コヒャン)、何と心地よい響きひびきであろうか? 故郷はなぜ
 人々の心にこれほどまでに懐かしい想いを抱かせるのであろうか? それ
 は自らの生命の誕生の地、父母、兄弟、幼な友達が住む所だからである。
 鮭や鱒も故郷に戻り、そこで産卵し死んで屍は次世代の栄養となってゆく。

 日本や韓国では毎年、盆と正月には民族大移動が起こり、交通はいつも
 パニック状態になるが、それにも関わらず、この民族大移動は一向に変
 わる様子はない。故郷を懐かしむ心が消滅しない限り、この大移動が
 絶えることはないであろう。

2●生命の誕生は愛に始まる

 人の命は一人だけの存在から生まれることは不可能であり、必ず異性と
 の出会いから生まれる。ある相対が一体化作用するには、相対基準が必要
 であり、相対基準を認めるならば、合目的性を認めざるを得ない。対立物
 が闘争によって発展するという弁証法は明らかに誤りである。目的の背後
 に意志があり、その意志の背後に愛がある。まさに、宇宙は神の愛に抱か
 れ、森羅万象は壮大な愛の交響曲を奏でている。

 3●故郷を懐かしがる

 命の根源は愛に始まる。懐かしい愛の香りを求める心が故郷を懐かしが
 るのである。
日本の「故郷(ふるさと)」の作曲家、岡野貞一は、鳥取県、
 作詞家、高野辰之は長野県、いずれも近代化に遅れを取った素朴な面影の
 残る県の出身である。
岡野は、40年余に亘って本郷教会でオルガンを
 弾いた篤実なキリスト教徒であった。韓国の「故郷の春」の作曲家、洪
 蘭坡も京畿道華城郡の田舎出身で、熱心なキリスト教徒、生涯、教会の音楽
 演奏に奉仕した。この二つの曲に代表されるように、故郷を想う調べは、
 心が洗われる純朴さ、自然ののどかさが感じられ、国境を越え、心の垣根
 を越えて、万民の魂に共鳴・共感・安らぎをもたらしている。

4●現代文明の綻び

 ところで、我々が、従来から最も優れていると思い込み、誇ってきた
 現代文明が綻び、今日、危機を迎えている。現代文明はルネッサンス、
 産業革命、民主主義革命、科学革命等によりもたらされたものであり、
 この変化は近代化(
Modernization)と称されている。個の自由、民主
 主義、人権をモットーとする、個を重視したパラダイムの下、驚くべき
 環境革命がもたらされ、世界は一日生活圏内に収縮しつつある。人々は、
 便利で快適に豊かに暮らすことが人生の目的であるかのごとく、忙しく
 凌ぎを削っている。

 その象徴が米国であり、米国は巨大な軍事力と経済力を背景に、自らの
 国是とする自由と民主主義、人権を押し進めることが正義であり、グロー
 バリゼイションは歴史の必然であると固く信じて疑わない。べトナム、湾岸、
 イラク戦争等の負の面を捨象し、臆面も無く、正義の押し売りを続けて
 いるかに見受けられる。

5●生命の尊厳を忘れた現代文明

 現代文明は、切り花文明であり、その欠陥は、自分の命の源である
 父母、先祖を無視して、「我思う故に、我あり(コーギトー・エルゴー・
 スム)」と自己主張することにある。民衆の自由や人権を圧殺する中世
 封建社会を否定し、個の自由を守るべく、多くの命を犠牲にして建国
 されたフランスや米国に対して、一面の共感は覚えるにしても、諸手を
 挙げて賛美することはできない。

6●再生は愛の復活から

 人間にとって生命のパイプは親子の縦の関係にあり、最も基本的な存在
 基台は家庭である。

  今、必要なことは、近代化の過程で失われたものを見直し、その出発の
 原点、命を切り捨てた個の存在基台から、生命をはぐくむ家庭基台のへと
 軸足を挿げ替えることである。人は、愛で生まれ、愛で育ち、愛で結ば
 れ、愛の実を結び、愛に囲まれてこの世を去る。その愛の学び舎が家庭
 である。まさに、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟愛を体恤し、永遠
 の愛の世界へ旅立つことこそ人生の目的であると言える。個人にしても
 国家にしても、権力や地位、名誉、富を得ることは、そのための2次的、
 3次的一手段に過ぎないことを悟るべきであろう。

 家族への愛は、親族、友人への愛、郷土愛、愛国心に通じ、愛国心は
 人類愛に広がる。他との連鎖を持たない閉鎖的な家庭愛(マイホーム主
 義)や偏狭な国家主義(ショービニズム)に陥ることなく、開かれた家
 庭愛、自国とともに他国をも同等に敬い、共に生きようとする開かれた
 国家主義でなくてはならない。


7●和魂の喪失

 我が日本は、アジアの諸国に先んじて近代化に成功した。和魂を堅持し
 て洋才、即ち西欧文明を導入したことは、その後、近代化を目指す後進
 国の発展のモデルともなって来た。日本は近代化の 成功を和魂の優秀
 性と思いあがり、隣国の伝統文化を軍事力で踏みにじった。ついに、洋
 才の本家、英米と一線を交えることとなった。それは文明の衝突とも言
 うべき全面的対決であった。日本は軍事力では負けたが、決して文化力
 で負けたのではなかった。占領軍は、日本が二度と立ち上がれないよう
 に、再武装や交戦権を放棄させただけでは不安で、和魂を恐れ、その根
 絶まで図ったのである。自由と民主主義、個人の人権を重んずる米国人
 にとって、天皇の命令一下突き進む、命知らずの特攻精神は彼らの理解
 を越えたものであったからである。

 戦後占領政策の影響下の下、日本人は自ら進んで和魂を捨て、自由と
 民主主義、人権尊重を受容し、建前としては軍事力をも放棄し、ただひ
 たすら経済復興のみに専念して来た。80年代に経済大国として世界舞
 台に登場した日本であったが、それは国際社会から尊敬される名誉ある
 地位どころか、エコノミック・アニマルとさげすまされる精神的危機状
 況さえ生まれて来た。経済成長が下り坂になると、それと並行して、国
 民の自信も元気も失せつつあるかに見える。元気を取り戻すために経済
 再生ももちろんであろうが、人間の自信と誇りの源泉である伝統的文化
 力の再生にもっと力を投入すべきであろう。

8●家族的情愛への回帰

 今、我が国のテレビ番組は殺人ミステリードラマが花盛り、そうでなけれ
 ば、初めからストーリーの決まったワン・パターンの時代劇である。
 韓流・華流ブームの底流にあるのは、日本では既に失われつつあるかに
 見える忠・孝・烈の東洋の三大美徳、伝統文化への郷愁を掻き立て、日
 本人を元気にしてくれる生き方、考え方である。3S(スピード・スリ
 ル・サスペンス)に代表される破壊と殺人のハリウッド映画よりは、
 人情の機微、親子兄弟の情愛を色濃く描いたアジアの愛国ドラマに血
 湧き、肉躍るのである。

9●伝統文化と近代文明との融合

 現代文明は全面的危機に陥っていると言わざるを得ない。人類は今、
 核兵器戦争の脅威に慄き、富の偏在が硬直化し、人生の根本的基盤
 である家庭が雪崩の如く崩壊に向かっている。この抜き差しならない
 十字路線上にあって、現代文明を救う唯一の道は、命を育む家庭的伝統
 文化を共有する東アジアの3国、日本・韓国・中国が、自らの伝統を
 主体的に見つめ直し、西欧現代文明と融合し、西欧と共に、現代文明の
 救済、新文明の創造に立ちあがることである。

10●決意宣言

 生命の尊厳性を信じる我々は、 愛こそ生命誕生の根源的要素で
 あり、家族・友人・隣人・国民国家・人類同胞に対する愛に至上の価値
 があると考えるものである。
この愛が育まれる所が、両親の下に生まれ、
 兄弟と共に育てられた家庭であり、故郷である。

  我々は、家庭・故郷の再生を発起し、地域や国家の創生、世界平和の実現に
 取り組むことをここに決意する。

        2013年4月
                    
愛郷運動推進発起人一同

               

   

                    参考サイト 

「桜鱒のように 」  「故郷の春」 と「ふるさと」  “愛国心,郷土愛”が生かされていない“

「美しい日本の可能性」  「存在とは?」   「14回GCI宣言文」
 
「GCUN創立趣旨文」  「PWPA創立趣旨文」  「新らしい文明を語る会」創立趣意文」

   

   Junichiro Owaki  E-mail; junowaki@able.ocn.ne.jp  HP; http://www.owaki.info/
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