テーマ:「世界の宗教と神話に土壌を読む」
講 師: 陽 捷行(みなみ かつゆき)氏(北里大学目世教授・農業大学校学長)

 陽博士は, 「環境は人と自然の間に成立し、人の見方・価値観が刻み込まれている。だから、
人の文化を鬧れた環境は存在しない。環境は自然であると同時に文化である。環境改善は、
私達自身を変えることにつながる」農医連携による健全な心身の維持を説かれています。
また、氏は、現代人の健康に関する認識に警鐘を鳴らし、10年前、WHOが、健康に関する
従来の定義「身体、精神、社会的に良い状態(physical, mental andsocial well-being)」に、
「スビリチャルで、動的な(spiritual and dynamic)」との新概念の追加を提案したものの、未だ
決着がない現状を憂慮しておられます。 「土壌」を介して環境と人間の生き方を語る陲博士
の御講演は、環境問題を新たな次元から見詰める良き機会となると確信します。

           記

名 称: 第21回環境問題研究会セミナー
日 時: 平成30年3月17日(土)午後1時半~4時半
会 場: 大山街道ふるさと館(川崎市高津区溝口)
主 催:(社)南北米福埔開発恊会環境問題研究委員会

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講師紹介 陽 捷行(みなみ かつゆき)

専門は土壌学、環境科学。

1943年山口県萩市生まれ。1971年東北大学大学院農学研究科博士課程修了、同年農林省入省。
19771978年米国アイオワ州立大学客員教授、2000年農業環境技術研究所所長、
2001
年独立行政法人農業環境技術研究所理事長、2005年北里大学教授、2006年副学長。
2012年公益財団法人農業・環境・健康研究所農業大学校校長就任。後進の育成に力を注いでいる。

2007年には、ゴア元米国副大統領とIPCCがノーベル平和賞を受賞した際、IPCC報告書の代表執筆者を務めている。
日本土壌肥料学会賞、環境庁長官賞・優秀賞、日経地球環境技術賞・大賞、日本農学賞・読売農学賞、
 国際大気汚染防止団体連合
Yuan T. Lee国際賞受賞。

※著書
 『土壌圏と大気圏』『地球環境変動と農林業』『環境保全と農林業』(編著・朝倉書店)
 『農業と環境―研究の軌跡と進展―共編著』『現代社会における食・環境・健康』
 『代替医療と代替農業の連携を求めて』『鳥インフルエンザ―農と環境と医療の視点から』
 『農と環境と健康に及ぼすカドミウムとヒ素の影響』『地球温暖化:農と環境と健康に及ぼす影響評価とその対策・
適応技術』(編著・養賢堂)

 『地球の悲鳴』『農と環境と健康』(アサヒビール・清水弘文堂書房)
 18cmの奇跡-「土」にまつわる恐るべき事実!』(三五舘)など。 

※公益財団法人農業・環境・健康研究所農業大学校
 静岡県伊豆の国市浮橋1606-2
農業大学校は、農水省が行う「青年就農給付金(準備型)」事業における研修機関(青年就農準備校)として
認定を受けている。
基礎技術科(1年コース=講義:実習=4:6)および営農技術科(1年コース=講義:実習=2:8)の
2コースを設け、農業実践に重点を置い全寮制大学校であり、自然農法も学ぶことができる。

参考資料
WHO(世界健康機構)憲章にある「健康」の定義Health is a state of complete physical, mental and social well-being a
nd
not merely the absence of disease or infirmity.
「健康とは、完全に、身体、精神、および社会的に良い(安寧な)状態であるWHことを意味し、単に病気でないとか、
虚弱でないということではない」とある。

WHO(世界健康機構)の「健康」の追加定義:1999年の総会で提出された
Health is a state of complete physical, mental,spiritual,dynamic and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
 1999年のWHO総会で、上記定義に加えて、新たに、スピリチャル(spiritual)と動的な(dynamic)という言葉の追加を
提案し、論議したものの、10年経った今日もまだ新定義は決着していない。