2018年、年頭の抱負を語る会

2018年1月13日(土)午後2時~4時

地球市民機構会議室 
 

   2018年、年頭抱負を語る会
  【趣旨】
  人類は夢を追う存在です。イスラエルの国家のタイトルが「希望」であるように、希望あればこそ、人類は、艱難辛苦を
  乗り越えて来ました。 経済や材も必要ですが、そこにビィジョンがなければ、空しく流れ去るのみです。
   同時代に生きる地球人、千代の過客として共にあることを感動をもって迎えた2018年。長年、高邁な理想の下、
  各分野の最先端に在られて、 英知を培われた同志の皆 様とともに本音の語らいの場を設定いたしました。
   既に、移民政策研究所、坂中英徳所長を始め、長年国連本部で活躍された柴田孝男・池亀美枝子先生等がその熱い
  思いを語ってくだる予定です。 「出会い」は感動、夢を実現する大きな力です。ユニークなアイディア、高邁な志を抱か
  れている各位のご参加を心よりお待ち申し上げております。
   皆様の力を合わせ、“希望輝く2018年” としようではありませんか?
     

【一色】新しい年、ロマン・ロランの言葉「一日を愛し、一日を尊敬しよう」
  シラー「青春の夢に忠実であれ」、皆さん、今年も情熱を失わないで、青 春の夢に忠実な一年を過ごしたいものです。

【大脇】行動の起点にある夢とビィジョンは重要です。日本の将来は如何にあるべきか、今日は皆さんからの抱負を
   語って頂きます。いろんな分野でご活躍の皆様に御参加いただいていますので、それぞれの 分野での報告と
   将来像を頂きます。誰しもが望んでいる平和それがなかなか実現しません。それは集団の持つビジョンの
   対立が原因となっ ています。様々なビジョンの融合、ネットワーク、それを包む大風呂敷が必要ではないで
   しょうか。日本は少子化、人口減に直面しています。早くから移民政策の必要性を訴え続けらえている坂中
   英徳先生に提言をお願い致します。

【坂中】 「少子化日本の将来」
  2040年の予測 15歳未満が最低となり, 単身者数が40%を占めるとなってい る。町から子どもが消える日、それが
  現実の課題となっている。少子高齢化が危機とされているがある意味ではハッピー な状況でもある。ただ、出生者、
  死亡者、移民の三つのファクターからみて人口減に対する策としては移民受け入れしかない。移民についてのコン
  セン サスが必要である。世論の動向も若い世代では移民許容について反対は減少している方向にある。日本では
  歴史的にみて仏教渡来以後の一木一草悉皆国 土と一体であるという自然観を持ってきた仏教渡来以前の古くは
  縄文の時代にまでさかのぼって考えても人類共同体論を提唱できる先鞭は、まさに日本 が持っている。
  人類共同体論を現実化するのは日本しかない。「移民」という言葉では含みき れないと思うが「異質の構成要素」を
  取り入れて日本の将来を活性化していきたい。

【大脇】長年 国連で活躍されたアフリカ連合開発機構総裁特別顧問・池亀美恵子先生にお願いします。
【池亀】「国際社会から見た日本とアフリカ」
  33年間国連に務めて退職後、主人と何ができるか、何をしなければならないかを相談しました。
 そこで ①世界史で不当に低い評価を受けてきたアフリカを歴史上の正しい位置付をしたい。
      ②将来の世界で活躍する若い世代を育てたい。の2点に絞りました。
 長年にわたり外国から日本を見ると大きな変化がありました。1970~80年代では活気にあふれていた。外国に
 出る日本人 日本企業ともにダイナミックな活力に漲っていた。ところが、その後は安全地帯に安住したい、
 確実な世界だけに引きこもる感覚に代わった。日本は衰退に向かっている !
  さてアフリカはどうか。アフリカが現在抱えている問題はアフリカ自身に原因があるのではない。外から、
  つまりヨーロッパという外圧により問題化したものばかり。やがて世界の人口は100億人、そのうち46億人は
  アフリカ人。また46億人の70%は25歳未満。日本の反対である。世界の耕地の60%もアフリカ。
  大脇さん! ここに集まっている人だけではダメなんで、広く世界に向けて発進する必要がある。

【大脇】「物事は長い目で、全面的に、根本的に 見なければならない」この安岡正篤の言葉にようやくこの年で
  同感できるようになった。 池亀先生、以前国連退職後の抱負をお伺いしたことがありますが、「市民国連」と
  言われているこの組織をリードしていただけませんか?
【池亀】政府の仕事も失敗もあり、政策の行き詰まりもある。これに市民の力が影響力を発揮できるかというと
  日本の市民力は微々たるもの。アフリカ投資拡大にエネルギーを投入しており、市民国連を引っ張れる余力
  はいま残念だが無い。 市民の力だけでダメで、企業の力を借りることが重要。その意味で経営コンサルを
  やっている。

【大脇】次にパラグアイ・チャコ地方、パンタナール地域で活動をしている南北米福地開発協会事務
   局長・戸石文夫さんに今年の抱負をお伺いします。
【戸石】パラグアイ 面積は日本とほぼ同じ、人口は大阪市と横浜市合わせた程度。ここに東西200km, 南北1000km
   のパンタナールという土地があ る。雨季に水没し乾季には耕地となる。ここに壱日二ドルで暮らす階層がいる。
   日本人7000人がここに定着。成果を上げ尊敬されている。我々もここで18年間にわたり活動。野菜を食べない
   この地で大豆栽培を定着させ輸出産業 として育てた。 日本人移民7000人のご苦労の成果があり、現地で尊敬
   されていると言う前提があり、我々の活動も先駆者のお蔭をうけて活動のス タートからスムーズに事が運んだ。
   先駆者の日本人移民の皆さんには心から感謝しています。
    海のないパラグアイにも漁民がおり、彼らは川での漁で生計を立てている が、漁獲の対象となる魚がいなく
   なっていた。ピラニア・鯉に似たパグという魚を年間30万匹放流して漁業としての立ち位置を確立している。
   パンタナールという地域での一次産業に限定しないで、我々は次の諸点をこ れからの課題としている。
   ① 立アスンシオン大学と共同研究所
   ② 連を連携した活動「パクの養殖とキクイモ栽培の研修」
   ③ 富な労働力を高い労働生産性に結びつけるための教育
   現在まで18年間に渡り政府の支援なくボランティアの力だけで、投資を行ってきた。近年、ようやく、
   パラグアイ政府や、国連が注目するようになってきた。

【大脇】ボランテイアだけでは続かない。ビジネスとボランティアの融合が期待されるところです。またパククの放流が
   成功したのもアセンシオン大学の知識とNGOボランティアの情熱の結合の力であった。ネットワークが重要という
   ことでしょう!

【柴田】自然環境保護の点はどうなっていますか? 温暖化による気候変動が大きくなっており、自然破壊に
   つながっています。・・・
【赤城】現地ではサステーナブル・ディベロプメントの開発ですが 日本国内では環境保護の活動をしています。

【柴田】】京都議定書でも米国は副大統領まで来て合意署名しましたが、結局批准しませんでした。しかし、
   米国は省エネルギー技術の立ち遅れを自覚しているようだ。・・・・・。

【戸丸】少子化は困ったことで政府の失敗と一義的に批判しているが、ある意味で福祉政策としては成功だった
   とも考えて良いのではないか。少子化は家庭政策の問題として捉えたい。複数世代同居の多い村落では
   人口減少が少ない。複数世代と外国を受入れる包容力のあるコミュニティが必要だ。

【坂中】その通りだ。しかし政府の失敗もあった。人口は何によって決まるか。子供世代の持つパワフルなエネルギー
   と異質な要素、新しい血の導入が望まれる。特に私の提言は、「生活水準をあるレベルまで世界的な規模で下げよう」

【小林】「総合医療の時代」
   ガンをいかにして予防するか、ガンという疾病からいかにして脱却するか。
  1983年主婦の友社「99%ガンは防げる」出版。巣鴨に病院を開設し月に300~1000人単位の検診を行ってきた。
  かつて文春に取材されて徹底的に叩かれた。結果として私の病院は閉鎖しなければならなくなった。新天地を
  アメリカに求めた。2016年、フロリダでAICM生涯賞受賞。今年2018年一月にCancer Medicine出版に際して
  共同通信を経て全国1500社に報道される予定です。
  ガンについての医学界での強いバイアスがガン検査のバリアーとなっている。
  私の開発したTMCAでは放射線被曝を最小にしたうえで正確な検診が可能である。
  この検診に加えてガンは食習慣で大きく予防できることを周知させたい。これにより医療費の節減にもつながる。
  ガン医療とは直接関係ないが日本社会は新しいことには「足を引っ張る」社会だということを痛感してきた。
  次の三点を特に望んでいます
   ①TMCA検査によりガン死ゼロ 出来高払いの医療費の改革を!
   ②堕胎天国でありながら少子化を防ごうと言う矛盾
   ③若い世代の自殺増加にストップを 教育の荒廃是正

【宮本】「芸術の振興策」
  ソーラーエネルギージャパン代表をしています。と同時に固い話ばかりの集いには必要と思い、無償ボランテイァと
  してコンサート支援をしています。 必要ならば声をかけて下さい。(資料3)

【大脇】宗教という視点から考えてみたい。

【村石】かって筑波大学でおこなわれた研究会で「アジアにおける和の実現と日本の役割」を発表しました。
  発表を支える思考の立場は縁起史観です。歴史的事象の一切は不断に網の目のように連動し生成している、
  という立場で、いわば歴史的相対性原理です。一つの結果に対して一つの原因とする短絡的推論を排して、
  時間軸を長くとり歴史を総合的多角的に見てゆく必要があります。現代が抱えている世界的諸問題を縁起史観的に
  考えると、「宗教とは何か」について語らなければなりませんが、宗教の概念は混乱を極めています。
   さらに、マッカーサー統治以後の日本の知識人は欧米の学説の紹介を知識人対象にすることに明け暮れてきて、
  日本的思考をもって世界にメッセージを発するという態度が欠如しています。
   明治維新以来、廃仏毀釈などを経て、神道は本義を忘れているようです。
  国家神道は、明らかに具体的な、いわば「和」歌の家元の総本家ともいうべき皇室の伝統を崩壊させるイデオロギー
  です。 伊藤博文が駆け足でヨーロッパをみてきた結論としてできあがった明治憲法は国家神道中心の体制では
  なかったかという感がある。それに比べて「五箇条に御誓文」は、すぐれた見識を反映しています。
  様々なイデオロギーや政治的宗教的主張が対立している中で、米露中などの軍事的大国が覇権的情念を競い
  合っている現在、日本人は、インドと中国の良質の思考の結実である縁起にもとづいた「和」の理念にもとづいた
  積極的な発信
を様々な分野でするべきでしょう。

【市河】このビルのオーナーです。長年にわたる活動で私を支えたのは「仏性」だった。この「仏性」は価値創造力だ。
   政府から破産を宣告され27億円とられて現在 100億円の資産を保有している。「変毒為薬」が私のモットーです。
   (資料1)

【大脇】ガンジーの碑文に残された「七つの社会的大罪」の七番目に「犠牲無き宗教」があります。一つの宗教も発足
   当時の初心を忘れて教団の勢力拡大に奔走する場合があります。行動の起点にあった情熱、その情熱を支える
   信仰、犠牲精神を思い起こして、他宗の誹謗に堕することなく、究極目的である平和(天国・極楽浄土)実現に向け
   て宗教団体も大同団結を期待したものです。 (資料2)


【村石】「アジアは一つ」を唱えた岡倉天心の志を評価する者ですが、これも「和」の精神の発露です。岡倉天心の
  このメッセージは、大東亜共栄圏などの政治概念ではなく、アジア的美意識にもとづいた文化概念です。もちろん

【久山】「夢をどう支援するか」・・今の若者には余り期待できないという話もありますが、私はまんざら捨てたもの
  でもないという期待感を持っています。因みに文科省は123校「スーパーグローバルハイスクール」
  指定していますが、その123校が一堂に会してのフォーラムが去年の11月に横浜であり私も出席しました。
  最も心に残ったのは、ある広島の高校が「世界のすべての人がより良い人生をおくることの出来る持続可能な社会
  をどの様に構築するか」という発表を行ったことです。こういう発想のできる若者達がいることは非常にEencouraging
  なことであり、我々国連OB・OG としても出来るだけの支援をしたいと考えています。

【大脇】数年前聞いた日本総研、野田一夫会長の言葉が思い起こされます。野田先生は「大脇君、これからは国際大学
    時代ではないよ!国際高校に時代だ!高校で語学力、教養、体力を磨き、世界のどこの大学でも行ける
    実力をつけることが重要。日本の未来にこれに架かっている!」と強調され、目から鱗であった。久山先生の
    お話を聞いて日本も捨てたものではないと多少安心した。

【尾脇善美子】ローマ(社会学博士)とブリュッセル(政治学博士)の博士課程を終えた後、キプロスとウクライナで、
   紛争調停の仕事をしているNGOで働き、昨夜帰国した。その間、フレンチェの美術館を見たり、ウクライナで
   芸術が国民生活の中に生きているのを体感した。今日のお話を聞いて、一色先生のおっしゃったように
   「芸術こそ世界平和を実現する最大の力ではないか」との思いを強くした。どこかの国、あるいは小さな
   街でもよい。モデルとなるような芸術村を作りたい。 (M.T記)  以 上

   動画はこちら⇒

===========================
         1月13日参加者

1 赤城 勲 環境問題研究会委員長(九大農学部出身)
2 池亀美枝子 アフリカ連合開発機構総裁特別顧(AU-NEPAD)
3 伊澤清史 (株)iGTvテクノロジー社長 録画
4 市河政彦 安全まいちづくり推進協議会理事長
5 大脇準一郎 未来構想戦略フォーラム共同代表 司会
6 尾脇善美子 キプロス・ウクライナでNGO紛争調停、一時帰国中
7 久山純弘 日本国際連合協会理事・前国連大学客員教授
8 小林常雄 国際がん予知・予防センター所長
9 坂中英徳 移民政策研究所所長、元法務省東京出入国管理局長
10 柴田孝男 カンサス大学准教授、元、典、辛公使、WFP副総裁
11 清水孝司 安全まちづくり創新協議会事務局 庶務
12 白木まゆみ NGOボランティア・スタッフ、中央大物理学科卒 接待
13 武内光路 記号論理学者、慶応大卒、教育者 メモ
14 戸石文夫 南北米福地開発協会事務局長、レダプロジェクト
15 戸丸曠安 ジャーナリスト・米国、イスラエル、東南アジア他、慶応大卒
16 福田一夫 経営コンサル、元野村証券IT投資部
17 宮本ルミ子 ピアニスト・ソーラーエネルギージャパン(SEJ)代表
18 村石恵照 武蔵野大学客員教授・仏教学・西本願寺派光林寺住職
19 渡辺和子 命・地球・平和産業協会」事務局長 受付
 連絡先:大脇研究所・伊豆創生フォーラム junowaki@able.ocn.ne.jp
〒410-2411 静岡県伊豆市熊坂1257-345 百鶴苑203号室
Cel:080-3350-0021 Tel & Fax:0558-99-9232
カカオ, Line, Skype: junowaki, HP: http://www.owaki.info
【連絡版】 http://www.owaki.info/etc/etc.html