大脇の感想:(記述中)

世界観、戦略思考に欠ける日本人:
 先週末、コロナと免疫治療を巡って、小林常雄医師と金木亮憲記者との白熱の対談
をアレンジする機会があった。その3時間を超える議論を聞いて現在まかり通っ
ている常識の陥穽、今、医療の何が大切か、腰を抜かすほどの驚くべき新鮮な内
容であるが、その紹介はこのインタビュアーの腕に期待することとして、小生は
その背景にある、日本の問題点を痛感した。
 米国では、問題化解決のためには、必要と思われる各分野の人を集め、総合的
に検討している。問題解決型(プロブラム・オリエンテッド)は必然的に総合的
であらざる得ない。専門性はそのための手段の一つに過ぎない。ところが日本で
はコロナ対策では公衆衛生学者が主でウイル研究・患者の治療にかかわる医者の
声がほとんど聞かれない。米国は何が善で悪か、価値観をしっかり立て、目標を
設定し、目標達成の戦略を確立し、目標を達成することを最優先する。ところが
人間集団中心の日本は、科学的事実や、何が正義なのか基準もなく、学歴、名声、
経緯が幅を利かせ、世論に引きずられ政策はそれを追ってただ漂っているだでけ
のようのに見受けられる。
 第2次世界大戦で日本はなぜ負けたのか?その根本的反省もせず、一億玉砕の
意気軒昂が一夜にして一億総懺悔に代わってしまい、その本質を追求しようとさえ
しない。現実的。科学的には無謀な戦争な日本になぜ走ったのか?敗戦色濃い戦場
の情報を握りつぶし、景気の良い大本営発表を続け、より多くのの国民の命を犠
牲にした。昨今の財務省、文科省を始めとするデータの改ざんも事実や正義より
は集団第一主義、和の文化の行き過ぎの負の面である。 
 今コロナの対策においても実証的科学的現実を無視して声の強い方へ流れてい
る。和の文化(高度信頼社会)の日本にプラスに働くときもあったが、長所は短所、
コインの表もあれば裏もあることを知るべきである。国粋主義にはまるのでは無
く、「世界の中の日本」として日本の和の文化が世界にどう貢献できるか?その
長所を生かす道、また同時に和の文化の弱点にも注意を払い、これを補うために
他国の長所からも積極的に学ぶことを薦めたい。

 このことは日本の科学技術政策全般に言えることで、有馬先生の遺訓として触れた。

 「有馬朗人先生のご逝去に想う」