2月3日(月)から5日(水)まで「ワールド サミット 2020」(国連UPF主催)が、韓国・京畿道高陽市にある国際展示場「KINTEX」で開催された。
中国・武漢で発生した新型コロナウイルス騒動のなか、世界から前職・現職首脳約150人、国会議員や宗教指導者、メディア関係者、
ノーベル賞受賞者、地元韓国からは潘基文・前国連事務総長など120カ国から約6,000人が集合した。
また、それに先駆けて2日(日)にソウル・明洞のロッテホテルで行われた世界言論人会議「2020 ワールド ピース メディア カンファレンス」
(韓国「セゲイルボ」、米国「ワシントン・タイムズ」、日本「世界日報」の共催)には世界100カ国から約500人のメディア関係者、学者、財界人
などが集合した。
ここでは、世界言論人会議の模様、ジム・ロジャーズ氏、ニール・ブッシュ氏も参加した経済に関する分科会「国際平和経済開発協会」
(IAED)の模様を中心にお届けする。
100カ国から約500人のメディア、学者、財界人が集合
国連UPF(Universal Peace Federation)主催の世界言論人会議は、1978年10月19日にニューヨークで始まり今回で22回目を迎え40年
以上が経過した。この間、言論人を取り巻く環境は大きく変化した。
インターネットの顕著な発展にともない、個々の多様な意見や情報の発信力が飛躍的に高まった。しかし、メディアに対する批判、チェックなど
大いなる反面教師としての役割が評価される一方、フェイクニュースや検証なき言論、謀略的な情報流出などの弊害も引き起こした。
メディアは報道・言論を通じて、究極的には世界平和構築などの高い次元の使命を担っている。今回の会議は再度「言論人としての使命・
責任とは何か」を考える目的で開催された。会場ではメディアがはたすべき役割において熱気あるプレゼンテーションや質疑応答が行われた。
メディアは真に自由でなければならず、その「自由言論」は「責任言論」でなければならず、その責任言論は、社会の良心となる「道徳言論」
でなければならない。
会場となったロッテホテルには、世界100カ国から約500人のメディア関係者、学者、財界人などが集合した。開会式、基調演説に続いて、
3つのセッション(「破壊的なメディア革新」「ジャーナリズム挑戦課題」「国際平和言論人協会の出帆」)が展開された。
最初に登壇した主催者であるトーマス・ウォルシュ国連UPF議長は今年から世界言論人会議は装いを新たに「国際平和言論人協会」(IMAP=International
Media Association for Peace)という名で歴史的な出帆をすることになったことを告げた。
そして、これまでの経験を生かし、さまざまな知見を活用しながら、第4の権力といわれる言論の分野において、継続的により良い社会の実現、平和社会の実現に尽力して行かなければならないと述べた。続いて参加者歓迎の辞を、鄭熙澤「セゲイルボ」会長、トーマス・マクデヴィット「ワシントン・タイムズ」社長、黒木正博「世界日報」社長が述べた。 |
トーマス・ウォルシュ国連UPF議長 |
李炳圭 韓国新聞協会会長 | 朴良雨文化体育観光部長官 | 朴元淳ソウル市長 | 歓迎の辞に続いて3人の来賓祝辞があった。 最初に登壇したのは、李炳圭・韓国新聞協会会長兼「文化日報」社長である。李会長は1990年のモスクワで開かれた国連UPF主催の世界言論人会議がソ連の改革に大きな影響をおよぼしたことを回顧・評価した。そして、今後も、米中貿易戦争、韓半島の統一など、地球上に山積されているさまざまな問題を解決していくために言論人の役割が重要であると述べた。 |
2番目に登壇したのは、メディアと文化観光を統括する朴良雨・文化体育観光部長官である。朴長官は、
世界唯一の分断国家である韓半島に、アメリカ、アジアそして遠くアフリカの言論人が集合して、人間の普遍的
な価値「平和」について論議が展開されることはとても意義深いことであると述べた。
そして、2013年にアメリカのジャーナリストであるトーマス・フリードマンの著した『フラット化する世界―経済の
大転換と人間の未来』を引用し、ニュースが言語の壁、国の壁を越えてリアルタイムで伝達される現在、この
世界言論人会議で論議されたメッセージが世界に波及し、世界の人々の心を動かしていくことを望んでいる
と続けた。最後に登壇した朴元淳・ソウル市長は、真実を伝達する、平和を守る上で「ペンより強い武器は
ない」ことを強調した。
朴市長の祝辞の後、壇上では8台のドローンによる「共生・共栄・共義」(国連UPFの考える普遍的価値)を連想させる見事な祝賀公演が展開された。 (つづく) 【金木 亮憲】 |