この60年間の癌死の歴史を見てみれば、異常な増大です。米国は50年前に“日本
食は理想食だ”と評価していたのです。日本は胃癌しかなく、癌死は米国の半分
でした。しかし、厚生省の官僚は”コメの食い過ぎが胃癌を作るとかおかしなこ
とを宣伝して、1970年には米国食を真似始めた。その為に、乳製品が100倍に増
加して、パンが25倍、牛肉などが25倍に増加して、当然のごとく、米国タイプの
癌、肺癌、大腸癌、前立腺がん、乳癌、膵臓がん、肝臓癌などが増加して、-挙
に癌死が4倍に増加して、米国の2倍強も癌死する時代に変貌したのです。米国の
コーネル大学のキャンベル教授は”癌の増加は乳製品とパンのグルテンが主要な
原因だと述べています。
最後の肝臓がんはシナのタイプです。それにもかかわらず、厚生省は超高齢化で
癌死が増加しているという非科学的説明をして、責任逃れをしているのです。
ところが、厚生省がこのデータを見ても、何故、超高齢化のために癌死が増加し
ていると主張し続けるのかと言うのならば、何故、米国の癌死が減少しているこ
とに対して、何が言えるのでしょうか!
米国では高齢化が進んでいないというのでしょうか! 米国の癌死は減少してい
るのです。米国は“癌の第2次予防”(癌が出てくるのを待ち、癌検診をして、3
大療法に持ち込むいうやり方)をやめて、“癌の第1次予防”(癌が出ないよう
に癌の第1次予防をしようというやり方)に変更しようとしているし、上流階級
やハリーウッドは日本食を真似るべきだという食の概念を変えようとしているの
です。
日本は実績の出ない癌の第2次予防を夢遊病のごとく続けているのです。それだ
けでなく、国民が癌検診の受信率が少なく、それで癌死が減少しないのだという
国民を非難することを間接的に述べるだけなのです。今や日本人の出生数は90万
人、癌死は40万人ですから、人口減少の直接的原因をなしているのです。この現
実に対して、国会議員も厚生省も癌センターも何も言いません。日本食を減少さ
せて、米国食を真似すぎた国民の問題もあるでしょうが、裏に隠された最大の問
題は厚生省が、“日本人の癌死減少のための血清診断技術を悉くつぶしてきた歴
史が背景にあるのです。胃癌が多かった時代に、東大の三木先生が開発した、ペ
プシノーゲン検査を200百人の医師達が保険に認めるように申請しました(19
71)が、無視をしました。この検査は胃透視や内視鏡の検査より精度が高い検
査ですから、これに、胃癌の第1次予防法に変更していれば、胃癌死は激減して
いたでしょう。
次に、増加した肺癌に対して、厚生省自身は“胸のレントゲンは肺癌には4%の蔵王大
効果しかない”という発表をしている時に、“CEAとフェリチンの組み合わせ
で80%近くの肺癌をチェックできる”という発表を札幌医大の漆ザク教授達がし
ましたが、これも無視をしまして、日本はCT検査の方に傾いていきました。そ
の為に肺癌の減少の為のチャンスを失いました。次には私が開発した腫瘍マーカー
総合検診(TMCA)検査の件が、1983年と、1993年に国会の予算委員会で質問
された時にも、厚生省はこれも無視をしました。TMCA検査に関しては米国の
一流誌、キャンサーに(1994年)論文が出たのですから無視をすべきではないの
です。これが取り上げられておれば、日本の癌死の減少は確実に生じていたでしょ
う。私の知り合いの元厚生省幹部は“厚生省が国民の健康のことを考えることは
なく、ハローワークしかしません”というのです。厚生省の腐敗ぶりがうかがえ
ます。皆様は本当だろうかと考えますでしょうが、現に、日本国の財務省が国の
発展を27年間も妨げて、デフレを続けることと同じ現象でしょう。官僚は腐敗し
た江戸家老にしか過ぎないのです。