「福島原発・吉田昌郎元所長顕彰講演会」

 (2014年 10月18日(土)午後1:00 ㈱神保町会議室)

    に寄せられたメッセージ

  玄侑 宗久 

1956年、福島県三春町生まれ。慶応義塾大学中国文学科卒。、京都天龍寺専門道場に入門。2001年「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞。仏教や禅にまつわるエッセイや対談本も多い。福聚寺第35世住職。京都・花園大学文学部仏教学科客員教授。新潟薬科大学客員教授

吉田元所長やフクシマフィフティーズに関しては、私ももっと顕彰すべきと思っております。

特にフィフティーズについては、私もインタビューなどで述べましたが、アメリカの New York Times や
ABCニュースで大きく採り上げられたのに、日本のマスコミ、いや、おそらくは当時の民主党政権が、
ヒーローを生んではいけないと考えたのでしょう。全く無視されてしまいました。

いわば、自己責任論。政府は、国の責任と考える以前に、東電の責任としたかった
のだろうと思います。

しかしそのせいで、皆のために自己を犠牲にする気持ちが、被災地から一気に
失われていきました。都市部の仮置き場しかり、中間貯蔵施設しかりです。

3月16日、陛下が異例の録画放送で被災者たちの「雄々しさ」を讃えたにもか
かわらず、それがどんどん消え失せていったのです。

賠償の問題は多かれ少なかれ、どう転んでも発生したでしょうが、「雄々しさ」
がもっと顕彰されていれば、もう少し潔くスムースに受け容れられたのではないかと、
私は考えています。

全ては吉田所長はじめフクシマフィフティーズの活躍を無視したことに起因する
と思うのです。賠償は、今後ますます泥沼化するだろうと、危惧しています。

そういうわけですから、吉田所長の英断と勇気、あるいはフィフティーズの果敢
な仕事ぶりには感謝してもしきれないと考えております。
ただ、私自身かなり忙しく、18日の出席も叶いませんから、ずっと後ろのほうで
呟かせていただければ充分です。

第一、私はまだ吉田調書を通読していないのです。でも影ながら、皆さんの活動
については応援しております。

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吉岡律夫 
NPO法人「トリウム熔融塩国際フォーラム」理事長
1970年、(株)東芝入社、原子炉設計・安全解析等従事。1998年、(株)東芝・情報制御事業推進室産業システムの機能安全評価事業担当。2004年、(株)東芝退社。2005年、(株)日本システム安全研究所設立、代表取締役社長就任。以後、産業システムの機能安全に関する教育研修、原子炉研究に従事。著書(共訳)「セーフウェア/安全・安心なシステムとソフトウェアを目指して」

福島原発事故に関しては、事故3日目の3月14日から、事故の解説記事を
合計で約70件、失敗学会のHPに書いてきました。
私の原子力での最初の仕事が、今回事故を起こした福島3号機の設計でした。
そういう意味では、戦犯の一人だと思っています。

これらの解説記事に「福島の英雄達」を取り上げたこともあります。
スペイン皇太子(現国王)が賞を贈ったことは、日本では記事にも
ならなかったようで、残念なことです。

後藤政志さんとは、一緒に仕事をしたことはありませんが、お友達なので
どういう講演をするのか、興味がありますね。

ただ、福島事故では、もう、受講者は集まらないでしょう。
しかも、国民の殆どが、東電=吉田所長、と理解している中では、今回の
テーマが挑戦であることは、関係者は認識されていると思います。

だからこそ、このような会合は有意義と思います。
盛会を祈るばかりです。

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大脇 準一郎先生
突然メイルして失礼いたします。
小生は金沢工業大学で技術者導入教育から技術者倫理教育の授業を作り、教えてい
て、現在名誉教授と客員教授をやっております1933年生まれの飯野と申します。
原子力には興味を持っていますが、直接携わったことはありませんが、公開されている
報告類は一通り読んでいます。

企業で37年間技術者をやり、金沢工業大学で学生に教えて来ました。
今回福島原発・吉田昌郎元所長の顕彰をやられることで、小生が学生にどう教えるか
という考えから、書いている『新・技術者になるということ』のVer.8(2012年出版)に記録
している資料を参考までにお送りします。現在Ver.9を電子ブックで作成中ですので、添付
資料の福島原発・吉田昌郎元所長の顕彰のためのみの使用はお任せします。長い文に
ついては関係部分は赤字にしています。

本文は第5章に、本の出版と小生のの略歴は奥付けに、背景は序にかえてとあとがき
にあります。
朝日新聞の誤った記事は記者と新聞社の人々の品性を示すものと考えています。
盛会をお祈りします。

10月16日     飯野弘之

『新・技術者になるということ』(飯野先生の本)を5分1に編集したものを添付します。

  第1章:技術者になるということ  
第2章:これまでとこれからの日本
第3章:研究開発
第4章:個人の自立と技術者の資質
第5章:技術者の倫理(技術者としての責任と属する組織への責任/
技術者が関係した事故例と教訓:身近な事故例/原子力開発関連の事故と教訓
/原子力発電所での事故と今後の問題/ほか)

第6章:世界の人々の生活とイノベーション(革新)
(米国技術者の生活/イノベーション(革新)とは/日本企業のグローバル化と
世界で活躍が期待される日本の技術者/ほか)

第7章:全体のまとめ