東京大学工学部創成学科4年 小笠原 亨重
当然、福島についてもよく学んでいると思っていたが、今回の会合に参加しながら、
吉田所長という人物についてはほとんど何も知らなかったことに気づいた。
『全電源喪失の記憶』という書籍が参考図書に挙がっており、原子力を学ぶものとしては
一読しなければならない、と思わされた。この人物やリーダーシップに関して、また当時の
事故状況に関してさらに学んでみようという意欲を与えられたのが一番の収穫であったと思う。
加えて、会場で「放射能を低減できる水」ということで「創生水」が紹介されていて、驚いた。
まだ科学的測定はされていても理論解明は成されていない、ということで、早急に研究される
べきではないかと思った。
最後に、吉田調書に関する研究発表があり、かなり高度な内容であったが、総じて、マスコミや
事故調査委員会では解明されて切れていない、あるいは秘匿されている「真実」が存在するのだな、
という感想を持った。そしてそれを伝播させまいとするパワーがおそらく存在しているだろうから、
いまこの場でおぼろげに見えてきた「真実」は果たして世に知られるのだろうか、きわめて狭い
コミュニティにおける認知にとどまってしまうのではないか、という危惧も抱いた。
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From:
大脇 <junowaki@able.ocn.ne.jp>Date: Wed, 12 Jul 2017 07:43:23
小笠原さん、大脇です。小生が記念講演でご紹介したように、この会の意義は第1に、直接参加
できるかどうかの関わらず、この会の意義を感じ、思いがけない方々が心を込めたメッセージを
寄せてくださったことです。
第2に会そのものの内容ですが、第3に小笠原さんのように、この会に参加して「目からうろこ」、
新たな真実に出くわし、未来へつながることです。特に次世代の若者に受け継がれることが
最も貴いことだと思います。
偶然でありますが、創生ワールドの深井社長、一色先生、金子和夫会長等が参加されたのは
奇しき縁だったと思います。特に金子会長は、6月21日衆議院会館で国会議員、各省庁の
スタッフ、学術研究者350名も参加の下、トリウム熔融塩炉の学習会の主催者でした。
金子会長は小生が口頭で話した「午後1時半から」ということばを信じて会場にお出でになり、
会場からお電話をいただいて初めて小生のミスに気付きました。さらに5時からというので再び、
4時半にお出でになりましたが、こん度は主催者側のミスで、会場は6時からしか使えず、
6時10分前でないと入れないないとのこと、重なる主催者側のミスにも関わらず、忍耐して
ご参加くださったことに、練れた人格の輝きを感じました。
金子会長は、来賓としてのご挨拶、集会後、夜11時近く、懇談会までご参席くださいました。
小笠原さんは金子会長の隣の席であったのも偶然でした。金子会長が心配していたのは
「このままでは原子力を勉強しようとする学生がいなくなり、日本では原子力を扱う人材が
いなくなるのではないか?」という危惧でした。しかし、素材として原子核工学も勉強する
小笠原さんを見て本当によろこんでいらっしゃいました。それも小笠原君は、6月21日の集会で
基調講演者、寺井隆幸先生の研究室で、来年から学ぶことになったとのこと、小生が西澤潤一
先生のお話をしたように、「何のために学ぶのか?」研究するその動機が最も大切です。
(http://www.e-gci.org/jpef/jepf.html)
7月9日の想定外の出来事、開会が予定よりも1時間半も遅れ、小生当初予定であった
1時間を40分に減らされ、後半十分に語ることはできませんでした。しかし、この背後にはいろ
んな事情がありました。主催者の杉山さんは胃癌の手術後、入院中の病院から抜け出して会場
へ駆けつけていました。また当日、司会予定の浜川氏が前日ご長男が急死され欠席となっていま
した。
ぜひ小笠原さんのような若者が、原爆で犠牲になった人々、原子力開発に関わった科学者、
吉田所長らの恨を解くためにも頑張って下さい! アカデミー(PWPA)、科学者会議(ICUS)を
12年担当してはっきり見えてきたことは、神の愛を証することでした。アインシュタインのことば、
3つの重要なポイントを挙げました。真理は1つですが, その表現形態が異なるにすぎません。
以 上
大脇 拝
2016年(平成28年)7月11日第3回吉田所長を偲ぶ会の感想 渡邊幸生