万物馥郁たる春の訪れ、躍動感に満ち溢れる季節となり、皆様におかれましては、
益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、4年後に開催されるオリンピックに関連し, 我々は、「2020年東京オリンピックは
どうあるべきか!」という提言を、首相、都知事及びオリンピック関係者に対して行おう
と考えております。この提言書をまとめるにあたり、有識者の皆様からの貴重なご意見
を賜りたいと思います(締切:3月13日)。4月一杯の提言のまとめのため、少人数の
会合を数回行いますが、参加ご希望の方は、是非お申し出下さい。
なお、先日のフォーラムのメモはいま校正中であり、来週初めにはブロードバンド、
You Tube, DVDで公開の準備をしています。地球市民機構、未来構想のサイトにも
アップする予定です。⇒ http://www.owaki.info/olympic/20160227.html
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以下、去る2月27日(土)「オリンピックのビジョンを語る」本年第2回目のフォーラムのメモ途中ですが、皆様のご意見を頂くためのご参考にお届けします。校正途上のもので 文責は事務局にあります。また素書き途上での小生のきわめてラフな感想も添付させていただきます。ご笑納頂ければ幸いです。
2020年東京オリンピックに対するフォーラム参加者の発言は、極めて厳しいものでした。1964年と比べて「なぜ盛り上がりが無いのか?」それは、時代環境の違いに加え、お金優先のものの考え方、過剰な国威発揚、オリンピックに勝つためだけのいびつなスポーツ選手養成、オリンピックのビジネスショウ化等に問題がある。更には、オリンピック憲章、クーベルタンの平和精神、世界市民主義の基本精神に戻り、文化性に焦点をもっと当てるべきであるという意見であった。
2020年東京オリンピックは、日本文化に対する理解を深める機会とすることが提案された。全国各都市、町村でイベントを開催、来日客を「おもてなし」する。多くの観光客に魅力ある日本を伝え、日本への移民を考える絶好のチャンスとする。また韓国、中国等、近隣諸国を誘い芸術(舞台演劇、映画等)を通じて協働で東アジア文化を体験する機会を提供すること。総じて「今回のオリンピックを文明の大転換点と位置づけ、近代合理主義、グローバリゼーションで見失われつつかに見える東アジアの伝統文化を体験してもらうこと通じて、生きがいと潤い、安心感に満ちた社会への大転換を図ることが大切である」との結論であった。国立競技場を壊し、代々木の森林を伐採する金のかかる開発手法よりは、節約する中で古きを生かす日本的伝統もあることを世界に知らせるよい機会ではないか?オリンピックのだめだけに開発工事をし、オリンピックが終われば、元の公園に戻すというような一過性の無駄な企画は再検討すべきである。
オリンピック全体の企画を通じて、「もったいない」、「お蔭様で」、「ありがとうござます」といった言葉の背後に潜む日本文化(東アジア文化)を理解してもらう絶好の機会としたい。
2020年東京オリンピックは近代化で走り続けた文明から、人間らしい文明への大転換点であったと歴史に記憶される歴史的大事業とすべきである。
今回、特に小生の最も感動したエビソードは、野田一夫先生の生き様から学んだことである。先生のお父さんはゼロ戦戦闘機の設計責任者でした。そのお父さんから「いつも裏表のない正直な人間であれ」と厳しく薫陶を受けた。「あの世に行って一番会いたいのは父親である。会って、お父さん、お父さんのおっしゃったように生きて来ました」と言いたい。この言葉こそ豊かで便利で忙しい現代社会の中では、見失われつつある珠玉の言葉であると思う。自分を誇り、“俺が俺がで”築いた近代文明は所詮、命のパイプを断られた切り花文明に過ぎない。命は親から与えられたもの、父子の関係、親への孝こそ人の生きる原点、東アジアにはその伝統がまだ生きている。
2016年3月5日
未来構想フォーラム事務局 大脇準一郎 拝
【全員】 オリンピックに関心がない
【野田】 オリンピックは商業主義に汚染されている 実態は、オリンピックそのそのものが商業主義
勝つために人間肉体改造している ドーピング以上に問題ではないか
64年のオリンピックを評価: アイデンティティの存在 インフラ充実
【伊勢】 競技施設 古いもの生かして使おう(日本文化の伝統) お金のかかる大会を主催できる国は少ない
【中川】 福島原発 情報公開ないとの国際的評価
【井関】 オリンピックというのは世界中の人たちが集まる希少なチャンス 日本はすでに欧米化している。
近代化という表現は避けましょう。 近代といえば日本の近代があり よその国の近代もある。「近代」として一律にくくることは誤認を招く。 現状を「欧米化」として認識しよう。
その欧米化の頂点として現在の日本、オリンピックがある
このときに伝統的な日本のカルチュアと そしてますます大きく展開し拡大をつづける「欧米主義」との折り合いをオリンピックを通じてどうやって作っていくか、また、コンセンサスが確立できるか、ということでも ある それが新しい意味でのジャパナイゼーションでしょう
次回テーマ :提議:オリンピック開催を契機として、現状に改革を必要とする諸問題は何か
最大かつ究極のテーマ:
【井関教授】伝統的な日本のカルチュア、そしてますます大きく展開している欧米主義との折り合い(融合)をオリンピックを通じてどうやって作っていくか(新しい人類文明の創造)
伝統的な日本のカルチュア 対 欧米主義
武内感想「伝統的な日本のカルチュア」「欧米主義」ともに抽象的な言葉、いかようにも表現の内容は変容する。
「欧米主義」から連想されるもの
科学主義: 産業革命以来の技術と生産優位、環境を科学技術で改造、管理、
政治体制: 主体意識民主主義、自由、個人尊重 法の下の平等 マスコミ発達
経済体制: 競争、社会福祉、大きな政府・小さな政府
資本主義: 新自由主義 ワシントンコンセンサス、規制改革、金融主義、資本移動自由
文化(価値):
「伝統的な日本のカルチュア」から連想されるもの
伝統的:匠、もったいない、物にも心がある、美化
和 協力 調和、対象意識(相手に合わせる、思いやり、察し、おもてなし、結び、縁、関係性)
*疑似家族主義(血族主義、クラブとは異なる:家元、天皇制、日本的経営)
再生産(循環)重視 非石油由来 竹の皮 木造
「日本の特色」
トヨタイズム、 下請け系列化、 中小企業の高い技術水準 ものつくり
一国のフルセット型生産様式
景気と連動させるべし⇔ 井関教授は否定、 日本の伝統型オモテナシ 福島ではなく 西日本 (古来の日本の中心として) へ観光客の誘致策
【小松】世界の文明を島根の原発が創ります。(13ページ1行目)
情報公開とオリンピック、世界宗教としての仏教とキリスト教、実生活への貢献の様式 欧米諸国との交流に宗教は機能できるか
これについて具体的な意見を持ち寄る
参加予定者 (主催者除いて)
野田先生 井関教授 (この二人は別格)、提言について必要な分野に発言したことを前提として・・
中川十郎教授(原発とオリンピック) 伊勢氏(国際的な立場) 一色氏(施設、シンボル、商業主義) 村井実氏(米国取材体験)
実務のみ(録音のみ 映像なし 公開しない)
TM私見 近代化⇒西欧化はもうすこしぼって、アングロ・アメリカン化(アメリカニゼーション、グローバリゼーション)
地球上には西欧とは異質の文明圏がある
財政的に参加できない途上国小国に日本が費用負担
選手中心で役員引っ込め
メダルを一切とらない 敗者に月桂冠を
国家へのアイデンティティ 愛国心 パトリオティズム ナショナリズム ショーヴィニズム
都市単位という建前⇒国家単位⇒国威発揚・・国旗掲揚 国歌演奏
冬季オリンピックを廃止せよ
日本の伝統的文化として以下のものが入るのか
神話 天孫降臨 明治帝国 考古学 歴史 明治開国以来とそれ以前の混同
キリスト教 牧畜肉食 東洋とくに仏教伝来以後の日本食
年少労働と資本主義 ああ野麦峠 マルクスの義憤 労働価値説批判ではなく剰余価値の帰属
富の生産と公平な分配の問題、(生産過程、流通過程、消費過程、リサイクル、廃棄物処理)、
64年反省、65年不況と完全雇用剰余 財政赤字
インフラ充実のマイナス効果 地域と東京の格差 東京の一極集中 ストロー効果
階層間流動性 格差 ジニ係数(所得分配の不平等差) ピケティ(『21世紀の資本』格差論)
高度成長 所得倍増 下村治 都留重人
2020年オリンピックへの展望
インフォメーションテクノロジーの発達が最高に達する
テロ対策 感染症 大会運営
ロボット化 IT化⇒失業 雇用減少 労働生産性の向上は雇用減少
移民に反対 3Kは中央省庁就職者が五年単位で従事する。 大工 左官
現在はデモクラシーかビューロクラシーか
(文責:武内・大脇)
第1部「2020年東京オリンピックのビジョンを語る」2:00-4:00
【大脇】 フォーラム開催の経緯と御礼
今日このようなフォーラムの開催に、私が再び携われるようになった経緯と、そのことに対する御礼の気持ちを、皆様にお伝えすることをもって、 開会のご挨拶に代えさせていただきます。
実は、私事(わたくしごと)ではありますが、小生、相当重症の糖尿病でした。このことが判明したのは、全くの偶然で、今日ご出席の小松社長が私を松江に40日間、ご招待下さり、その機会に検査を受けたお蔭です。
それはちょうど4年前の2月のことで、 検査の結果は、へモグロビが11.5でした。その後、帰京し、医師の指導を受けながら健康の回復に努めましたが、数値は8.0以下には下がりませんでした。医師は「あなたの総合的な検査結果の数値の状態ではいつ倒れても可笑しくない、何も起こらないのが奇跡なくらいだ。」といきなりイヤローカードを切りました。ところが昨年末、親友から頼まれた仕事を手伝い、体を動かすことによって、先月には、その数値が6.5に下がり、活力と意欲が漲ってきました。
二つ目は、このフォーラムの共同主催者である市河会長に対する御礼の気持ちです。市河会長は15歳の時、長崎で被爆、明治大学夜学に通いながら苦学され、85歳の現在、30のビル、100億円の資産を築きあげられ、今も現役でご活躍されています。予科練生の生き残りである会長は、「金儲けは手段であって、世の中の為に使うべきだ」と常々おっしゃり、今日の会合のスポンサーを快諾くださっております。
広島で被爆された平山郁夫画伯、今もご健在のブルネイの国父、ペンギラン・ユソフ殿下(93歳)、2009年8月、国際平和文化フォーラムの国際会議に、ロゴをプリントして何百枚ものTシャツを寄贈くださった会社のオーナー(ご夫人:88歳)もまた、広島の被爆者でした。 「自分が今も元気なのは創価学会の生命哲学のお蔭だ」と市河会長はよくおっしゃっています。
生命とは何か?「盲目的な意思である」とすればニヒリズムに陥り、生存競争の修羅場に入り込んでしまいます。最近A. アインシュタインの娘リーゼルに宛てた手紙を目にしました。彼によれば、宇宙は互いに連関性を持った一大有機体であり、目的性を持っている。そして「この生命に意味を与えるのが愛である。宇宙の根源は愛の力である」言っています。
⇒http://www.owaki.info/shiryo/Einstein/letter.html
『地球時代の哲学』(佐藤優著)は 、池田大作会長とA.とトインビーの対話を基督教信者である佐藤優氏が読み解いたものです。この本を読みながら、共生・共栄主義の次に来る「共義主義」こそ、これからの時代のキーワードだと痛感ました。「共義」の前提は、信頼と尊敬心であり、独善排他性、ましてや、暴力でもってでも自己の主張を押し通そうする蛮行は決して許されません。資源や土地、金融の共同活用と言った具体的現実からも近代社会システムの変革が迫られていることは、未来社会への追い風です。
三つ目は、今日も司会を引き受けてくださっている井関利明先生に対するお礼の気持ちです。 先生は、長年マーケティング学会の会長として数々の流行語を生みだされました。
また慶応大学藤沢キャンパス構想を立案され、全国の大学改革に取り組まれた方です。
先生とは1974年2月「新しい文明を語る会」(http://www.miraikoso.org/before/shinbunmei/atarashiibunmei.html)発足当初からのお付き合いです。丸の内界隈の財界人と学者との毎月の会合を見事な司会により進めて頂きました。近年、原発、憲法、沖縄、近隣諸国との国際関係など国論を二分する議論が沸騰していますが、これを止揚して合意を形成する叡智と手法を井関先生はお持ちです。その根底には、直観、理性と感性の融合が見られます。小生は、毎日1億円以上もの経費を使う割には、きわめて生産性の低い国会審議のTV中継を延々と許している国会議員も、井関塾に弟子入りし、知識を収斂する方法論を学んで恥をしのいではどうかと思っています。
オリンピックにビジョンを!
今日の発題者である野田一夫先生をご紹介します。
一言にして言えば、野田先生は“アイデア一つで生きて来られた方”です。先生の半生を紐解くと、アイデア(ビジョン)が如何に大切か、大きな力かが立証されています。
野田先生は、小生が元立教大学総長松下正寿先生の鞄持ちをしていた頃からのお知り合いです。野田先生は日本で初めて観光学科を創られた方であり、今や観光学科は立教大学の看板の1つです。アイデア一つで、ニューオータニの土地にザ・フォーラムという8階建てのビルを建て、紀尾井町クラブを創設されました。近くのビルで学術活動をしていた小生も大いに活用させていただきました。また、先生は多摩情報大学、宮城大学を始め5つの大学を創られた方でもあります。先日久しぶりにお会いした折にも、「大脇君、もう大学の時代じゃないよ!日本の未来のためには、世界のどこの大学にでも留学できるような国際高校を創ることだ!」だとお聞きし、目から鱗でした。
先生はいつも人より一歩先、世界のトレンドを熟知されており、本質的で辛辣な提言をされます。 月刊『世界』の2月号には「理念なきオリンピック」が特集されています。この言葉は昨年から野田一夫先生が吐露されている言葉でもあります。ご案内の趣旨文にも書きましたように、2020年のオリンピック、物の豊かさのゆえに国民は気概を失っています。東北の復興においてしかりです。
今日は野田先生(88歳の)に活を入れていただき、皆様のアイデアを引き出し、「オリンピックを日本再生のチャンスとするにはどうしたらよいか?」皆様の忌憚のないご意見をお伺いし、具体的シナリオを描く契機となれば幸いです。
先日、野田先生の盟友、安藤忠雄先生とお会いする機会がありました。この『安藤忠雄』の本は先生の建築史自叙伝で、写真が豊富に入っています。その折、先生は「自由と勇気と責任だ」とおっしゃいました。プロのボクサーの道から建築家へ転向され、大学にも行けず独学で世界的な大建築家となられたのは、野性的な力、人に媚びない自立した精神によるものであろうと推察致します。人の考えの及ばない奇抜な発想の数々もそのような自由な精神、勇気、責任感から泉のごとく湧き出るのだと痛感しました。
以上ご紹介させて頂きましたように、小生がご縁を頂いている諸先生、また今日ご来場いただけなかった皆様を含め、ご来場の皆様に今日の会合を持つことができましたことを改めて感謝申し上げます。「お蔭様で」ということばは、殺伐とした現代社会にぬくもりと潤いを与える美しい日本語です。「もったいない」(ワンガリ・マータイ)は、病める地球を癒すキーワードとして世界でも注目を集めました。「有難う」と言う言葉にも深みがあります。近代化によって失われつつあるかに見える美しい伝統統文化が、幸いにも東アジア3国には残っています。(参考:http://www.owaki.info/shiryo/pwpaj/statement.html)
今日ご出席の抱社長は、2020年のオリンピックには、会場の近くに舞台小屋を借りてでも借りて、オリンピックの期間中、中国、韓国の演劇仲間も誘って共同公演したいと行動されています。止めても止まらない溢れるボランティア精神、これこそが、何千億円の予算を云々することよりもっと大切なことではないでしょうか!進退錐谷のならいない十字路線上に立った現代文明を東洋の心をもって「おもてなし」し、新しい人類文明を解産の契機とすること、これこそオリンピックの理念にふさわしいのではないかと考えています。今日の会合が自由自在・闊達な議論が交され、実り多い会合となるよう祈念し、開会のご挨拶とさせていただきます。
日は第一部では新しい発想を目指して自由闊達な御意見を表明して頂き、第二部では皆さんが何に特化して活動しているかという具体論を中核として進めたいと思います。
まず司会をお願いしております井関先生からどうぞ・・・。
【井関】慶応大学 「不」名誉教授の井関です。始まって終わったような感じもしないではありませんね 笑・・
いつも大脇さんは熱弁を奮われていつのまにやら、引き出される。野田先生もそうかもしれません。 笑・・今日、私は別の所要がありましたが 野田先生がお出でになると言うことでなんとしてでもこちらにと、参りました。若いときからお世話になって参りました。それにもかかわらず 御無沙汰を長く続けてしまいました。
【野田】お互いですよ! ・・笑い・・
【井関】ということで 野田先生と大脇さんの熱意に負けてやってまいりました 今日お話を頂くのは大きな話題になると思います。しかし 御参加の皆さんには終わるまでの間に一度か二度は 発言して頂きたいと思います。みんなが意見を表明する場なのです。是非御発言頂きたいと思います。場合によっては話の途中でも手を挙げてご質問してよろしいかと思います。この場は一方的な講演会ではないのです。皆さんで語り合うという相互作用の場です。最初にまず野田先生からお考えをどうぞ・・。
「理念なきオリンピックを叱る」
【野田】未来構想フォーラムにお招きいただき有難うございました。いまの大脇さんのお話でお分かりと思いますが大脇さんは世話役としての能力の高い人です。人間は長所と短所があります。大脇さんの欠点は自分が興奮すると前のこと忘れてしまう。大脇さんは熱弁で誘ってくれましたが何を話すのかについては何の相談もないんでして ・・笑・・突然「東京オリンピックについてビジョンを語る」・・
私、皆さんにお伺いしたいんですが、東京オリンピックに関わっている方は? 居ませんね 私もまったく関わっていません。では東京オリンピックに関心をお持ちの方は?
これもゼロですか 私もまったく関心がありません。そういう意味なのでどうして私がこのテーマで話さなきゃ・・一同笑い・・私自身は今年89歳になります。1964年のオリンピック、 私は1960年から62年までアメリカの大學におりまして、帰ってきましてからの日本が如何に活力にあふれていたか、当時の日本というものを非常に懐かしく思います。 60年代の日本の象徴的なイベントが東京オリンピックでした。あのときはオリンピックになんの関係もない人たちが大きな関心を持っていました。当然 好況を盛り返した、とは言っても貧しい時代でした 敗戦で自信を失った時代に日本は機会に恵まれました。冷戦が始まり、冷たい戦争の中で育った、それがなければ日本のこういう復興はなかったでしょう。敗戦国でありながらかつての敵国であるアメリカが日本を支援しました。冷戦で他の諸国が被害を受けているときに日本自身はアメリカに守られて経済が復活した。決定的なのは朝鮮動乱でしたね。そういう情勢がなかったら戦後の日本がこんなに早く、かつ高度な経済成長は出来なかったでしょう。結果としては1955年は戦争が終わっての「もはや戦後ではない」という経済白書にもありますように戦前の水準をクリアしていました。それから10年間、ときどきの不況がきましたが基本的に好況のトレンドを維持してきました。70年代になる頃には、自由経済圏ではアメリカに次ぐ第二の国になりました。その日本の上昇期を象徴するのが64年のオリンピックでした。「国民の祭典」でしたね。いまのようにお金はありませんでした。でも努力で補いました。10月開催も日本の夏は非常に熱いと言うことで岸さんの時に開催が決定し、池田さんの時に・・あのころの日本はたくましかった。私は終戦の時18歳、過去を振り返ってみて一番自分の国が信頼できたのが60年代でした。60年代の日本は、国家が信頼できた。国家を動かす政治家、当時の象徴的なのは池田首相の唱えた所得倍増です。「貧乏人は麦を食え」という発言、それは貧乏人を貶(けな)したのではない。「麦を食べても元気に生きていける」そういう意味では池田さんが総理のときにオリンピックが行われたとおもう。その直後には池田さんは亡くなられた。すべての点でオリンピックといえば1964年のオリンピックを思い出します。今回は最初からつまずきましたね。予算の確定しないままに、どこかに発注したなんてのは、ぬかってますね。私自身は率直に言いますとオリンピックには無関心です。強いて言えば、東京オリンピックは成功してほしいと言う一日本人としての願望があるだけです。自分の国に関して感じるものがどうであるかと思うときに明らかにこの国は斜陽化しつつある。国民そのものが国家というものに強い関心を持たなくなったと言えるでしょう。戦時中の日本は 指導者は酷(ひど)かった。国民は国民なりに日本という国に深いアイデンティティを持っていた。それが敗戦以来ひどい状態の中から立ち上がる気力を持っていた。そういう意味で今は、自分の国に強い愛着を持っている人は少なくなった。端的に言うと政治家のスケールが変わりましたね。 いまの政治家のクオリティは極めて低い。どうしてそういうことになったかを考えてみました。あらゆるまと候補でもするか、あの程度の人でも国会議員になれる。その程度の議員にも相当の巨額の歳費がかかります。国会を見ていますと最低の資質の人間が最高の権力を持った国、そんな国が豊かになるはずがない。この国の未来については私は暗いイメージを持ち、悲観的です。
しかし東京オリンピックが失敗した方がいいとは思いません。努力して成功させたいけれども1964年のオリンピックのような感激はなかろうと思います。おそらく終わった時に一日本人としてホッとするでしょう。私は国家に期待してもだめだという思いです。これからは残りの人生で何をやるかという・・国家に対して一番責任があるのは政治家ですが、彼らは私が期待しているような国家を造ってくれるとは思えません。皆さん方は東京オリンピックに対してそれなりのお考えがあると思いますが、私自身は関心がない。でも大脇さんは「東京オリンピックについてビジョンを語れ」というのですが語ることはないし、語ったとしても何の意味もありません。東京オリンピックの最高責任者は森さんですが、政治家の中にはいろんな人がいます。最もおかしな人の一人が森さんでしょうか。そういう人が責任者となって何ができるのか? ですから「東京オリンピックについてビジョンを語る」という主題について私は語る資格がない、布いて言えばまったく関心のないテーマである。皆さん方に語る資格がないと考えますが 大脇さん どうですか・・・・大脇さんは語るべき何かを持っていますか?
【大脇】・・一同笑い・・-ご案内の趣旨文にも書きましたが、日本は昔と違って経済的に豊かになった。しかしその豊かさがかえって逆に災いし、お金だけが先行して、精神的なもの、志がどこかに消えて行っていると危惧しています。オリンピックの原点は何かということも忘れられていないでしょうか お手元にある舛本先生の「オリンピックと平和」この会に舛本先生がメッセージをお寄せくださっていますのでぜひおよみください。舛本先生が編集された本もここにあります。
【野田】かかわった人は一生懸命やっていますよ! 大事なのは国民が関心を持っているかどうかです。ここにおられる方もさっき伺ったように関心があるというお方はおられなかった。どこかの新聞社で世論調査で関心の程度を調査したらいいのではないかと思います。新聞記者に聞かれたら一応は前向きな応当をするかも知れませんが、私の周辺では関心のある人は絶無に近いですね。あんな巨額のお金を使っていま日本は何にお金を使うかの、問いがあれば 私はオリンピックにお金を使うことに疑問があります。
【井関】先生、オリンピックは話のきっかけだとお考えください。
【野田】ちょうどいいね それについても大脇さんにも賛成だと反論してもらいたい。盛り上げましょう。
【坂中】私はオリンピックが決まった時浮かんだものは開幕と・・・・オリンピックはチャンスだ・・民主国家になった
国籍とか人種 戦争しない 若人が集う そのなかで日本に永住したいと言う人はお断りと
【野田】そうですね オリンピックに関わる人にとって意義がある。1964年のオリンピックでは関わってない人間までが非常に期待しましたね。いま関わる人は自分の職業上プラスになる人も多数いますから懸命にやっていますが、国民一般はしらけているという状況にあります。
【大脇】 小松社長からオリンピックの原点を調べたらということで調べたところ、クーベルタンは平和主義に徹底しており、さらに今は国家が全面的に出ていますが、彼は徹底した世界市民主義でしたね。教育的な観点からスポーツを通して世界平和の実現をと主張していたことを改めて知りました。
【井関】難しいのは クーベルタンが言ったのは19世紀末、そして彼の世界とはヨーロッパです。ところが今はヨーロッパだけではなくなりました。アジア、アフリカがありますね 異質なものがどういう形でかかわりあえるのか、面白いのは移民の話で オリンピックのことではなかった。そういうことになりますとオリンピックを契機にそれぞれの皆さんがなんらかの期待、なんらかの結果を望んでいるのでしょうね。誰もメダルを何個取ってもらいたいというお話ではなかったということは、それでよろしいと思います。私自身も野田先生のように関心ありませんが、野田先生のようにはっきりは言いません。・・一同笑い・・
【一色】今回 エンブレムが大きな話題になりました。私はデザイナーですから関心がありました。1964年のオリンピックのシンボルは亀倉 雄策さん、世界的に評価されましたね。五輪が全部、金でできている。 http://matome.naver.jp/odai/2136196104336181101
【野田】本来 審査員になるべきだった。本人が断って後輩に審査員させて
【一色】募集の要項が知られなかったのです。賞を二つ持っている人が応募できるのでした。私はいくつも持っていますが、知らなかったのです。出すこともできたんです。問題はそのあとで 佐野さんのデザインでビックリしたのは真ん中に真っ黒い線がある。不吉な予感がしました。よく見たら、本人の説明ですが、東京都のTでした。命の源である太陽が横にあるというのもどうか。日本は横におかれているなあ、そんな造形的な思いで、 原点はなんだろうかと?
【大脇】原点は平和?
【一色】ギリシャの時代は勝者に対して月桂樹の冠、それから栄誉をたたえての神殿になにかが飾られるということでした。私はオリンピック憲章(http://www.joc.or.jp/olympism/charter/)を見てびっくりしました。「オリンピズムは人生哲学であり、肉体と意志と知性の資質を高めて融合させた、均衡のとれた総体としての人間を目指すものである。スポーツを文化と教育と融合させることで、オリンピズムが求めるものは、努力のうちに見出される喜び、よい手本となる教育的価値、社会的責任、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重に基づいた生き方の創造である。
【野田】 だいたいそんなもんですよ
【一色】うちの娘もデザインをやっていますが「地球意識でやれ」と言い聞かせています。
【野田】エンブレムも競技場の問題も責任を誰もとっていませんね、子供がやっているとしか言いようがありませんね。
ああいうのを見ていると ホントに堕落しているんですよ いま熱心に取り組んでいるのは 自分の商売に関わりがある人だけです。ジャーナリズムもそれにあたる。一番簡単なのは責任を取ること。誰もそれを言わない。
【】共同の無責任。
【】人間は暴力的になる・・戦争の時代・・・そういうエネルギーを ・・競技の場で・・・人間の機能・・闘争心みたいなもの・・を昇華させれば・・・でないと暴力的な面へ走ってしまうと と⑦最終的には戦争になると・・・
【野田】オリンピックはコマーシャリズムに汚染されないように。というが実はオリンピックそのものがコマーシャリズムなのですね。結果的には商業ベースそのもののサッカーと同じになっていますね。そういう意味ではなるべく日本はオリンピックにお金を使わないで成功させたらどうかと思う。64年のオリンピックは、その当時の日本にはそんなにお金はなかった。しかし社会資本としての投資として意義のあるものが残せましたね。そういう意味では僕の一番関心のないテーマを勝手に僕のテーマにしたのだから、大脇さんに責任がある。・・笑い・・
【大脇】お話の五つの色のオリンピックの五輪、背景の白を含めて合計六色で世界のすべての国旗が描かれていていることから世界は一つという意味がオリンピックの五輪にあります。1910年クーベルタンが創りました。彼の原点は人類が一つになって平和を実現する。でも彼が描いた理想は、その後経済的に行き詰まり、国家というものが乗り出して 都市ではなく国家がお金を出す。国威発揚の場になってしまった。さらには商業主義になってしまった。オリンピックの初期の精神にもどり考え直さなければならないとういところでしょうか?
【井関】ロスアンゼルス大会から変わってきましたね。戦後間もなく始まった時には素人が参加し、プロは参加できなかった。そのときは まさに平和でした。いまはメダルを一つでも多く「稼ぐ」時代になりました。
【野田】非常にコマーシャライズされていますね。それに対して関係者は反省しているのですか?
【一同】・・・ないですね。・・・
【一色】ロスアンゼルスから変わりましたね そのときから日本の広告代理店が加わりましたからね。
【野田】電通?
【一色】世界で最大のスポーツの祭典はサッカーでして、オリンピックの規模じゃない。もっと大きい。組織で動いていて・・・これを電通がスポーツはお金になると推進したといういきさつがあります。ロス大会では開会式から人間がロケットで空を飛ぶというショーアップされ。アメリカ人が興奮するようなことからスタートしていって終わった後ではアメリカも国内でいろんな問題が起こったそうですが、日本には入ってこなかった。今回のオリンピックも商業ベースが先行している感じがしますね。
【大脇】だから抱さんにきていただいていましたが、そのあたりを・・
【抱】 私は若いときはサッカーをやっていまして、高校一年でユース代表でした。日の丸つけて世界47ヶ国をまわりましたがカルチュア・ショックを受けました。当時日本のサッカーと世界とは天地の差がありました。特にお隣の韓国とは大学生と小学生程度の差がありまた。いまでこそ6対4程度に日本が上がったかな・・私も夢を見ました。当時はサッカーはオリンピックにはなく、要するにオリンピックに出たいとそういう夢を語る連中が集まっていました。選手たちは数字、勝敗には関心がなく、「世界の舞台で戦いたい」気持ちで 確かにオリンピックは平和のシンボルですが競技の場として見ると戦いですから戦場なのですね。闘う以上は「金メダル」しかない。銀ではもう駄目なんです。一位になるかビリになるかで一位になることだけが目標なのです。闘う選手たちの集まりとしては、価値観はこんなもの。いま私はスポーツから身を引いた立場として見れば、客観的にオリンピックを「見る側」として考えたら、皆さんのいずれもが嘆いていたように商業ベースというか、お金のことばかり。・・じゃぁ、終わったら何が残るのか、インフラ?今回、選手村を分譲しようと言う計画があると聞いています。そんなことでは、ごく一部の人しか恩恵は及ばない。
【野田】64年のオリンピックはインフラが充実したね。
【抱】そのときのインフラが今でも役に立っていますね。あのくらいの規模のインフラを整えるのだったら意義があると思います。ところが今回は、インフラ予算はない。じゃ何が残るのだ ? 心に残る何かとしても何をいうておるかと・・若者が関心を示していない。東京でオリンピックをやることに全く興味がない。では若者の関心を高めるにはサーフィンを競技種目に入れようと・・こんなバカげたことになっています。
【野田】おじさんたちにはなにが・・ゴルフ? 僕はカスミのメンバーだが、その連中も迷惑している。いろいろと計画にお金を使うがそのお金は国民には還元されない。誰かがオピニオンリーダーになってそういうことを指摘したらいい。関係者だけがやたらに興奮している。
【野田】 招致委員会にも僕は出ました。頑張ってくれて招致が決まった。みんな喜んで大騒ぎです。大騒ぎして喜んだが、内容はどうするか、の話になるとシーンとして ・・・これが現実です。
【野田】あのエンブレムにしても競技場にも巨額の費用が掛かりますね。普通は予算から行くでしょう。上限はいくらとしてなるべくその範囲で抑えて、そういう考えがないね。あの事件が起こってからそんなにお金使ったのかというのが始めてわかり・・理解を求めるという手順も踏まないままに会議で決定して・・。それで事件が起こっても誰も責任とらないし取ろうともしないし、それを指摘する者もいない。おかしな仕組みだね。なんだか、ネガティブな話ばかりになってきたね。
【井関】いえいえ それで結構なのです それで・・
【 】前回から今までで 地方空港が整備され、新幹線が走り・・東京と地方とのアクセスの利便性が大きく上昇した。
【小松】世界遺産のみならず日本遺産で全国から手を挙げなさいと。島根県は手を挙げなかった。上位概念である文化に誘導する。
オリンピックに来る人たちに日本の地方に関心をもってもらいたい。島根県は手を挙げなかった。松江城という国宝 それはそれとして文化に誘導する。それが日本再生・・・・事件があった時に警察は親子関係・親族を調べる。・こういう段階は民族が崩壊するときの最初の兆候です。ソ連が崩壊するときもそうだった。幼児の死亡率が高まる。人口学者がソ連の崩壊を予測する。ソ連が崩壊する前段階で 親が子供を殺す。日本の場合も新しい文化を作らなければ・・逆に言えば作れる時代に・・要は単純明快で 少子高齢化・・日本の歴史、応仁の乱・・・・・・私はエンジニアで まず現場に立つ。虫の目、魚の目、鷹の目、視野を広げる・・もう一つは時間軸・・自分の経験から判断する ・・歴史を学ぶ・・中国は鄧小平、習金平・・北京の抗日記念館をリニューアル・・中はがらりと変わった。抗日ではないすべてファッシズム、日本はファッシズムを持ち出さない国である。南京の記念館も・・・戦後の裁判 B.C級戦犯・・
【井関】後程また・・いつのまにか、オリンピックがどこかに・・実際不思議なのはオリンピックというテーマを大脇さんから提示されましたがオリンピックに対する関心がいかに多様化しているか・・オリンピックを一つの切り口として皆さんが日ごろからお考えになっているさまざまな問題 社会、文化問題 いろんなものがでてくる。・・かつて野田先生がお話になった64年の時は国民の関心が一つに集まりました。高度成長期という特別な条件の下にでした。いまは社会が成熟化し多様化した時代 価値観が多様化した。・・オリンピックそのものにもこんなに関心が多様化したといえるでしょう。きょうの発言も 競技の種目の話やメダルの数の話 一言もでていません。これが大変面白いことと思うのです。
【 ?】メダルの数を沢山とるのは先進国ですね。オリンピック日本も含めて、欧米、いわゆる先進国がほとんど・・途上国 島国など、太平洋の島国が金メダルをとったことはほとんど聞かない。オリンピックの問題、皆さんから出されましたが、膨大な経費、文明的、文化的問題・・これまでのオリンピックに関して 逆説的な意味で関心がある。これで陸上でやるオリンピックは終わりにしてはどうか・・笑い。これからのオリンピックは海に移したらどうか? 陸上ならマラソンでは途上国ケニアでもメダルを獲得しているが海ではマラソンの10倍、100倍の距離をボートを漕いで ・・フランス領のタヒチでやっていますが・・そういうふうに場所も変えてしまう。 陸上もなんらかの形で残してもいいが・・海に場を移して太平洋の小さな島国でもメダルが取れるような、そういう形にしたらオリンピックの概念、発想を変えたらどうか 私は論文書いて笹川財団の研究所に提案したが・・根本的にオリンピック場と形を変えてはどうかと思う。
【井関】大変奇抜な発想ですね。実は面白いのは、歴史というものは国によって国境があり、しかも限られています。争奪戦が起こりますが、海は世界中をつないでおり、どこにでもつながる。そうすると陸地では、おっしゃるように、海の方が世界全体をつなぐには、良い競技の場になるかも知れません。でも、実現は大変難しい。もう一つ、選手の話が出ました。私が承服できないものがあります。ロシアや中国を見て下さい。将来オリンピックでメダルをとるために子供の時から意図的に身体の改造とでも言えるような、身体の特定の筋肉だけが発達するような訓練、水泳の為、フィギュアのため陸上競技の為、その他の特定の競技のために、人間はどんな形に変形されているんでしょうか?挙げ句の果てにドーピングです。代理戦争かもしれませんが、メダルをどれだけとったか、に関心が集中して、幸いにして日本では、皆さんにはそんな関心がなさそうなので安心していますが、人間変形装置を作り変形された人間が一つの場で争うのは人類史上で異様な事態が発生していると捉えたいのです。
【野田】ドーピングは避けていくように制御できるが、特定の筋肉の怪沿いについては制御することはできないね。
【野田】関係者だけで議論しているからね 非関係者の 議論というものは・・
【井関】聞かせてやりたいですね。
【????】64年東京オリンピックのときに円谷選手が・・なくなりましたね。彼も選手ではなくマシーンとして育てられましたね。今の中国 ロシア・・
【井関】みんなそうですね。ですからそれを見ますとですね
【野田】全体主義国家はみんなそうだね。
【井関】 不思議ですね。ローマ時代、闘技場で闘技をさせて、それを見て興奮して手を叩いていたその光景が、浮かんできます。スポーツ選手というのは見世物に登場する役者ではないかと・・。
【大脇】そういうなかで、前回僕は三つの軸を提言しました。空間軸、広がり、陸ではなく海へ 今日の議論で一番話されているのは価値軸という金、物の豊かさから心の豊かさを求めていく時代になって、小松さん抱さんが言うように東洋文化・伝統文化をみせることによって現代文明によって失われつつある、そういうものをとおしてオモテナシという文化といいますが、お蔭様で、もったいない、こんな言葉の中に文化が含まれています。そういう面から見ますと抱さんは藝術をとおして韓国、中国から東アジアにのこった伝統文化を再評価して世界の人をおもてなしをして一つのレガシーをつくりたいという夢を持っていらっしゃいます。
【井関】それは 今回のオリンピックとどいう風に絡みますか?
【大脇】物質的な豊かさもいいのだけども、精神的な面で新しい日本が発信すべき日本文化の伝統、韓国、中国も誘って東洋に残っている伝統文化を体験してもらう。
【大脇】現代文明は、命を忘れた切り花文明ですよ。自分だけの主張で突っ走っていますが、我々の文明は親を誇り先祖を誇り、命の縦のつながりを最重要視して来ました。忠孝烈の東洋の三大美徳を再評価するときではないのか?便利で豊かであっても命の絆なくしては、人間幸福はあり得ない。
【坂中】 それを世界にアピールしようと言うがアピールしても成功しない。オリンピックのとき3000万人くらい来ます多くは中国人、欧米人も増えていますが、彼らは何に憧れてくるかというと日本文化に憧れてきているんですよ 禅、 その人たちに 3000万人着たらね、何%でも、日本に移民を希望している人がいると思うのですよ。それを受入れたらどうかと提案しているのだが・・そういう人たちは日本の文化を勉強しますよ。アニメ、ファッションに憧れているのだから。・・ここから日本の文化を身につけて本国に帰れば日本文化は世界に広がるでしょう。たしかに、西洋文明は行き詰っている。ロンドンオリンピック、先進国でのオリンピック、それでイギリスが唯一得をしたのは、ロンドンが世界都市になった。ロンドンに移民人口が爆発的に増えた。それまでは世界都市はニューヨークとパリだけだった。ロンドンの人口で外国人は・・・日本はオリンピックを機にして世界に開かれた都市になる絶好のチャンスだと思う。
【????】外国人お断りという国ですよ、東京オリンピックの目標として、「世界に開かれた国を目指す」と書けば良いのだ。・・・・・・・・
【井関】日本の企業サイドも外国人や女性が異質なものとして排除されていると言うのが現実で日本国の中で移民をどうやって活用していくか
【坂中】活用するかというと私の専門はそれですからね。日本は人口が50年間で4000万人確実に減る。それからの50年 100年後は4000万切るのだから・・そのなかで高齢者は増え、14歳以下は僅か、100年後から先は一気に減る。1000万程度に一気に・・それがはっきりしているから安倍さんなども一億総活躍というが、ナンセンスで女性と高齢者、身体障碍者の総活躍と言いながら、勘定が合わない。外から持って来るしかない。経団連の会長も移民とはなんだ・・・私も昨日かNHKで安倍首相が参議院本会議で「移民政策はとらない・一億総活躍だ」と NHKが編集したんだろう 移民政策捨てたら日本は人口減で崩壊する。NHKは意図的に・・・・・一昨日かな、前原氏と安倍首相が移民の話でやりあって安倍さんも内閣も移民について議論しない、参議院選挙までは、選挙の争点にしたくないのだ。国民も移民政策は嫌うだろうと。けれども、去年の朝日世論調査では、移民賛成51%、反対が38%、八月の読売では、若者20代50%が移民賛成、反対49%で、NHKには私は一月に出て、二月、三月にも出ました。NHKの移民の調査 そのときに 革命的なことやる人間を旗頭にしてやらないと大きな改革・・・・坂中さんに御迷惑かけませんでしたか・・とNHK・・・・・
一国の首相と五分に渡り合ってね・・切り返した。三月二日の10時50分 ・・官邸からとか
【坂中】とにかくオリンピックを機にやらなければ、後世に残るよ 国民の心は変わったと それでいいんですよ。
【井関】坂中さん、最近は人口減少は良いことだ という主張もあります。かなり出てきていますよ
【坂中】それで良いですよ 多すぎるんだから・・エンドレスで減ったら日本民族は消滅ですよ。
【井関】はい そんなことはないけど・・
【坂中】100年後の15歳人口は、わずかこれぐらいで、高齢者は・・おそるべき数ですよ。 400年後には日本民族、なくならないよう インフラとか何もかも明治以後つくったものはどうなっているか人口増加の前提で作ったインフラは全部崩壊ですよ。
【井関】わかりました その議論はちょっと置いといて、こういう話を国際的な場で活躍してこられた伊勢さんはどうご覧になりますか いい加減な男どもは置いて
【伊勢】私は日本から随分離れていまして 帰ってきました。オリンピックには最初から興味がありません。興味と言えばオリンピックを通じて浮き彫りにされてきた諸問題がでましたので、そこから考えて行きたいと思います。日本の権力機構・政治家の在り方、大きな問題があることが明らかになったと思います。国民がとにかく動かないですから。
【井関】オリンピックが近づきますと日本文化に内在し潜在している諸問題がでてきますね。派生するさまざまな社会問題 文化問題がおおきなものということが改めて認識されてきたようです。今日は そういう問題を出して頂いて、いずれ それを整理する機会があろうかと思います。最初に野田先生は高度成長期の日本の国がまとまっていった一つのことに関心が集中する、ある時代の話。高度成長期は一様化の時代、いまは成熟期、多様化この多様化をオリンピックというキーワードでまとめることができるのか、になっている政権に野田先生は不信感を持っていらっしゃいます。・・一体誰が責任を、森さんがやっているのでは国民はまとまらないかも・・
【野田】森さんにやらしたほうがいいと みんな思っている。やってもプラスにならないから。森さん自身もそれをわかっているんじゃないですか。最後の御奉公というか60年のときは国民自身がインフラの充実を肌で感じたね。お金の使い方も共感を持たれた。今度はそうではない。お金の使い方もはっきりしてない。使うお金に対して関係者が責任を持っていないね。エンブレムだって一定の予算があったはずで予算があったらあんな事件は起きない。競技場も始めから日本人にやらせればいい。無駄なお金をやるまえから使っている。そのことについて、誰も責任を取ってない。
【????】文部科学省にやらしたのはいかがなものか、力はないですよ。
【井関】オリンピックは文部科学省の管轄だと言うことで
【野田】森さんは現役の時からインチキな人でしたからね。しかも今は何もやらない人だしそういう人を責任者としたというのはどうかね。会社では責任者には重要な事業なら会社では最高の実力者を当てますね。ところが一番愚かな人間を責任者にしたと言うこと自体、安倍さんに責任があるね。
【大脇】そのことで去年、野田先生にお目にかかった時にずばりと「理念なきオリンピック」おっしゃいました。そのことが雑誌「世界」二月号に特集としてこまごまと載っています。http://www.owaki.info/olympic/haifushiryo.html
・・・野田】60年時は 事実上 池田さんでしたね 決まったのは岸さんの最後の時だが オリンピックのときすぐ後で亡くなられましたね。戦後の首相ではもっともすぐれた首相 その人が責任者でしたね・・・
【????】理念なき経済は犯罪である・・
【大脇】ガンジーの墓の碑文に書いてあるそうですね。
【一色】七つの社会的罪、冒頭に理念なき政治、次に労働無き富、第3が人格なき学識、第4が道徳無き商業、第5に人間性無き科学、最後が献身無き信仰です。
【渡辺】オリンピックがもりあがらないと国民的にようするに景気、それがアベノミクスとか景気と結びつけてオリンピックを話さないから国民的な関心が盛り上がらないと私は思う。だから64年(昭和39年)池田内閣 所得倍増・・やり方でやれば ただ今、野田先生がおっしゃっているように一部の利権を持った人・・森さんに指名したこと自体がそもそも間違いで
【野田】そうそう オリンピックを重要視していない。
【渡辺】彼も俺が俺がの人間だから。安倍さんも景気も沈み切ってしまいましたね。中国経済、それから原油安、いろんな原因があろうとも強力に・・景気とオリンピックを結び付ければ国民の関心は高まりますよ。
【野田】戦略が間違っていたね。僕もそう思う。やっぱり池田さんは上手だったと思う。
【井関】あの当時と今とは経済、社会の状況が全く違っています。いまは国際経済の中で日本の成長政策をどうするかにもいっていない。だから経済成長路線とオリンピックを結び付けられません。
【渡辺】無理ですか?
【井関】無理です。
【渡辺】先生のおっしゃることは分かりますけど。
【井関】国内経済ではなくグローバルな視点で考えないと・・・
【渡辺】グローバルは承知していますが、そこで知恵を出さなければいけないのが官僚であり、政治家ではないでしょうか?
【野田】私は 渡辺さんに賛成だ。
【渡辺】先生もそうおもわれるでしょ 先生は立教大学で・・
【野田】立教は だいぶ前にリタイアしています 89年かな 多摩大学の学長になりましてね
【渡辺】ああ そうでしたか?
【野田】それから大学をいくつか作りました。
【渡辺】私は明治大学出身なのです。先生のことはよく存じ上げています
【野田】いま 明治はすごく伸びていますね。
【渡辺】私の持論としては 官僚と政治家があるいは一般の財界がそれを結び付けるような形で持っていくかがポイントと思う
【井関】それはいいですね しかし 景気とか成長と言われると怪しい話になりますね。
【渡辺】アベノミクスをやっていくわけでしょ
【井関】それは・・どうか・・
【野田】このごろは黒田さんが元気ないね。だからこそオリンピックをうまく利用すれば・・ね。
【井関】景気というよりも文化的にね 坂中さん どうですか
【坂中】オリンピックやってもだめでしょう。日銀の黒田氏、日銀は円安、金融緩和やってきましたよ。でもね実体経済がよくならないとだめなので、実体経済というのは人口×所得、人口×消費なのですよ。人口が激減する中で成長なんて。絶対に有り得ない。経済はもとはと言えば、人間に衣食住を供給することから始まっているので、オリンピック、人間がどんどん減っていく中で黒田さんも移民賛成だと・・移民を受け入れて生産人口を増やさなければ・・それは消費人口でもあるのですよ。いまの銀行は日銀から受け取ったお金を・・借り手がいないものだから国債を買っている。そんなわけだから安倍さんが地方にもと言ってもそれは絶対不可能。オリンピックでインフラ、そんなことやったって知れたものです。手前味噌になりますが移民政策しかない。世界の経済学者はみんなそう言っています。
【野田】移民受け入れというのは政策だからそこをまず作って、移民はまず増やすと言う原則を作っていまはまだ原点がないね。
【渡辺】戦時中にやった「生めよ 殖やせよ」だった、そういう知恵を考えなければいけないのではないかな。
【坂中】安倍さんは1.8まで出生率を上げると言っていますが、そんなのはできっこないよ。
【渡辺】日本の教育が間違っていたんですよ、アメリカの
【????】少子高齢化は日本だけじゃないよ。
【井関】オリンピックを目指してその後に日本にはどんな未来があるかを語りましょう。将来どういう風にしたら
よいかという話の方が昔の話はしても取り返しがつきません。野田先生が御指摘になったように、あの時代においてオリンピックはプラスであり成功だった。いま、これからの時代に果たしてオリンピックがプラスの役割をはたせるだろうか 少なくても経済問題でないという感じが致します。
【野田】あのときのオリンピックはちゃんとした戦略だった。社会資本を充実しようと言うコンセンサスがあり、そのトレンドへとリーダーシップも取れていた。国民はすべてアグリーしたよね。いま、そういうものを打ち出すべき時だと思う。そのためには責任者として相当の能力、識見を持った人を当てなければいけないね。いい加減な人を責任者としては。
【渡辺】そもそも森さんを指名したのが間違いなのだ。・・一同笑い・・
【井関】それをここでおっしゃっても・・・・笑い・・
【伊勢】でもこれからまだ四年あるわけですから方向を少しずつ変えていくことができたら・・この会が見識のある方たちのなかで、私はこの間の沖縄の選挙について
【徳村】先日の宜野湾市長選挙ですね。 現地の人に聞きました。70代 80代の人は本土から切り捨てられた、普天間にもヘノコにも納得できない、という。40代前後の人は現実的で沖縄で先行投資安全保障と同時に医療をはじめとして充実させてくれたら、30代は子供たちを将来もここに住み続けさせたいので将来がある街づくりをしたい。その実現ができれば、その点から判断する。つまり過去への想い、将来への想いと二つに分かれています。国民のためになるという発想、野田先生のおっしゃるビジョン、それを誰かが訴える。こつこつとやるしか方法はない。本日の集まり、ステイタス高い方たちですので 何かができるのではないか 結論は私たちが何かを発信することこのグループで発信を
【井関】それはちょっと無理です。それぞれいろんなお考えもありますので、大方は経済的問題ではないということで御賛同頂けるかと思う。そうするとオリンピックを契機として日本の文化を・・正直に申してこれからは国際的に日本の国がある種の確立した地位をもつには決して防衛力ではないと思います。文化の力であり、人的交流ではないか? 坂中さんのおっしゃるように、年限つきでも10年、20年と多くの外国人が日本に住んで仕事をし、日本人もまた外国へ住んでみることによって、防衛力 抑止力というものが確立するのではないかと思います。なぜお金をかけて軍備を維持しようとするのか? 日本が軍事力を備えたら仮想敵国も同様にそれに備えるために軍備を拡大させるでしょう。それは目に見えているではないか、したがって、もし、これからの経済の面からも軍備よりも大事なことは、日本国内での格差だと思う。世界一ではないがともかくGDPでは世界第三位と言っても一人あたりにすると27位です。これをなんとかしないと・・私はオリンピックを通じて多くの人間が参加できるような格差を縮めるような何らかの動きに貢献できないだろうかと思います。
【伊勢】競技場の建設に関してですが、希望があります これからの開催できる国は限られてくるでしょう。お金をもっている国はそんなにありません。そこで日本は大きな施設を準備するのではなくて、小さな、また古い施設を使いながらこれからのオリンピックの在り方についてのトレンドを示す。そういう力は日本にあるでしょう。と思っていたら・・国立競技場も潰してしまって 誰が潰したかもわかりませんね。新宿御苑の木も切るとか・・国際的に貢献できることは何か、それを考える力を持っていないではないかと思います。
【井関】かならず 経済、成長、それがでます。いい御意見でした
【抱】素晴らしい御意見ですね。古きものを大事に「もったいない」精神でね 私は介援隊というNPOをもっています。いま中野区でベッド待ちをしている高齢者が6万4千人います。新宿は8万9千人、300万円から500万円なければ施設に入れませんよと言うのだけで、年金月額6万円で老後生活できるという状態ではない。四年前、国からお金を出してもらい、施設ができ、340人の定員で募集したら、八万人の応募があった。最低費用6万円で生活できるようにしたい。またお年寄りと子供の一体化したもの、竹馬を作る、缶けりで遊ぶ をお年寄りが子供に教える。子供は現代のゲームをもってお年寄りと遊ぶ。孫とおじいちゃんが一緒に遊ぶという施設にしました。老人ホームですから孫は行きませんね。でも、こうしたらこぞって孫世代がきました。これは日本古来の家族団欒、そういうものが取り戻せたと思う。競技場潰すときも我々に払い下げてくれとそれを改造して使うこともできました。いま熱海と伊東温泉に町おこしと連関していますが、廃業したホテルを安く買い、介護の施設に使いたいとしていますが、何か新しいモノへと流れてしまうのではないかと・・・。古き良きものをもっと生かすにはと、みんなが頭を使えば何とでもなることではないかと思います。
【野田】いい話ですね 安倍さんの一番悪いことは自分が体験してない。お金持ちの家に生まれたから、子供の時から母親が家事や育児するのを見たことがない。私は安倍さんの奥さんに言いましたよ。「私は子供が五人います。ワイフをみていたら私には育児のような大変なことは私には無理と思いました。安倍さんは結婚しているが子供はいない。官邸におって女はもっと働かしたらいい、それは残酷な話ですよ・・笑い・・カラスでも子供が生まれるときはオスがやってきて餌をメスにやりますよ。自分では食べないでメスや子供ヒナに食べさせる。カラスでさえそうなんだ。本来、親のするべきことをコミュニティーでやるということは素晴らしいことですよ。子供はほんとうは「家庭」が欲しいのだ。親代わりのことやるのは素晴らしいね。
【抱】その施設でお年寄りに当番制で料理も作ってもらっています。肉じゃがとかひじきとか大根の千切り、おいしいんですね。
【野田】われわれもそういうことやろうよ!
【抱】前に大学でも授業やっていましたが、高校生、大学生に日本の食の文化から教えて身につけさせたい気持ちがある。
【野田】オリンピックに使うお金はそういうことに向けたい。・・笑い・・
【市河】オリンピックを成功させたいなら出版したらどうか、お金は募ってもいいし、企画がいいと出版社が出す。広告も大きく出してくれるでしょう。それくらいやらないとここで討論したって立ち消えになって意味がない。
【井関】いまは印刷物の影響力が落ちていますから、これからはネットでしょうね。
【野田】いまの市河さんの提案には否定的な人はいないと思う。拡げていきたい。ネットがいいね。
【大脇】それも全部やっていきます
【渡辺】本はそんなに読まないから・・。
【井関】ネットがいいですね 市河さんがお金だしてください。
【????】命のやり取りは子供からお年寄りに流れる。お年寄りが元気になる。
^【大脇】野田先生 皆さんに お父さんから聞いたお話を皆さんにご紹介いただけませんでしょうか?
【野田】人に語るほどのことかな・・年を取ることに期待感があって、父親を見ていたら、自分もあの年になったら というお思いがあった。私は姉ばかりの末っ子の男の子、父親は私に「だらしない男になってはいかん」と僕にことさら厳しかった。父親が言ったことの中で「①愚痴を言うな ②陰口を言うな 」この二つについて非常に厳しかった。日本の社会は案外愚痴と陰口で成り立っているようなものだ。 教授会でもはっきりものを言うようにした。すると八割は僕を「生意気なヤツ」と、「生意気」という表現は 日本人は好きです。根拠がないままに生意気だと批判する。言ったことがおかしいなら議論するべきなのに「生意気だ」で片付ける。また、それをその場所では言わないのだ。そのおかげで「野田君の言ったことは厳しいけど正しい」と評価してくれるのが10人のうち2人かな。そういう友達がだんだん増えてきてね。
私は友達に恵まれている。」敵対した人は60歳前後で他界・・・・笑い・・敵はいなくなった。紹介してくださいよ やっつけたい・・笑い・・あの世があるか 誰にもわからない。あると思う人間の強み、死んだとき父親に再びあえて「お父さんの言うとおりに人生を送った」と言える、と信じることができるからね。 同年の友達も沢山いたが あの世で待っている。・・笑い・・。そういう意味では父親が決めてくれたことを実行していると思うので 加齢が楽しい。
【井関】耳の痛いお話でもあります。忸怩たる思いが致します。
【大脇】先生のお父さんは零戦戦闘機の製造責任者。「親に喜ばれる自分になになろう」と努力された。現代文明が見失っている大切なものはこの命の関係、親子関係ではないでしょうか?
【野田】勝手なお話しましたが、5時から別の会がありましてここで失礼します。またの機会がありましたらしゃべらせて ください。・・拍手・・
【井関】野田先生には大きな問題を提示して頂きました。
【大脇】では 第一部はここまでとします。
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【井関】皆さんのお話が多様でしてテーマが一つにしぼれないほどでして・・・。われわれが2020オリンピックに関心を持ち、成功に向けて貢献したいと言う人がいないということがわかりました。だとすれば オリンピックを目指し、あるいは利用して日本の文化や日本の社会に何ができるだろう。そちらに御関心があるだろうと思います。オリンピックをめぐる文化交流の問題、人的交流の問題、そこから新しい人間関係をつくり、新しい社会関係・国際関係をつくるかに 焦点を当てたいと思います。
【中川】ひとつだけ 福島原発が安倍首相はアンダーコントロールと言いましたが、世界的には安全なことは保障されていないと言うことです。世界の放射能の専門家はチェルノブイリ以上に危険であるとの見解です。 メルトダウンした核燃料から地下水を通して放射性物質が拡散されているのではないか、探索ロボットでも未確認の状態がほとんどでゆゆしき問題です。 世界の原子力の専門家から危惧の声が私にも来ています。とにかく福島第一原発の問題は収束していません。チェルノブイリも事故後五年経過してから子どもの甲状腺癌が増えました。日本も この3.11で五年です。危険な状態が表面化するのはこれからでしょう。そういうことを確かめて安全だということを世界に向けて発信するべきだという意見も多いのですが・・・私どもの想像以上にチェルノブイリの1000倍場合によっては2000倍程度の放射線が拡散されているという意見もあります。そういう意見も含めてオリンピックに対処すべきでしょう。それからマラソンですが前のオリンピックでは10月でしたね、今回は真夏という、時期的にも問題があると言われていますね。
【井関】伊勢さん 福嶋原発事故と原発そのものについて 国際的にはどのように報道され どのように評価されて
いますか?
【伊勢】国際的には 「日本は情報の公開がなされていない」とされています。直後から情報公開についての日本政府への疑問がとり沙汰されました。これは日本の名誉 立場について残念なことです。
【中川】世界的には 日本政府は隠している と見られています。 先日もメルトダウンは事故後二日で判断できたにも拘わらず、二か月発表を遅らせたとか これで世界的に不信感を与えてしまいました。
【井関】それはオリンピック問題でもそうでしたね。 公開しながら 国民や専門家の意見を聞こうとしなかった。公開して、相互作用して一つの結論を見い出すことがまったくできないのは不思議だと思います。気が付いたら「決まっていた」気が付いたら「できている」
【中川】建築物としても立派な競技場も気が付いたら 取り壊されていた。すこし手をいれたら十分使えたでしょうに・・【井関】国立競技場は明治神宮の環境に適合している建物でしたね。
【大脇】深刻な問題が出てきましたね。 今日お見えの小松社長は島根原発について・・・・・どうですか休憩なしで続けましょうか・・・
【井関】10分間 休憩としましょう。 -----------------------------------休憩-------------------------------------------
再開
【井関】オリンピックに関わっている方がいないことは分かりました。しかしオリンピックは一つのチャンスです。われわれは より良き日本の未来をつくるために何ができるであろうか? 経済的な貢献はほとんどできませんので 文化や人間関係、新しいコミュニティー、ネットワークをつくる。そういう面での 仕事はありうるだろうし、そういう分野での貢献は出来ると思います。そこに話を絞って「人間と文化」という視点からオリンピックを、ある意味で支えていく。率直に言って目に見えないがオリンピックを支えるのは国民の考え方やつながりではにかと・・・・
【井関】抱さん お願いします。
【抱】すみません 時間が無いもので・・お配りしましたパンフレットご覧ください。私は演劇関係の仕事をやっています。この能楽堂は国の重要文化財に指定されていまして 能楽師の聖地でして 能楽師しか使えない、役者なんかが出られるところではありません。たまたま下村文部大臣が在任中でしたので去年の五月、下村文相から抱え日本文化を一つの芝居で世界に紹介するものができないかと言われました。日本文化と言うと演劇の分野では、能、狂言、歌舞伎があり、役者の仕事があって、日本舞踊があって海外の人にわかってもらえるのは忍者、腹切り、武士の話じゃないですか。私はグスタフと名乗っていますが、スエーデンの現国王カール・グスタフ16世から名前を頂きましてスエーデン大使館で20年間、年一回上演してきました。代表的なアウグスト・ストリンドベルイの「令嬢ジュリー」というスエーデンの人ならだれでも知っているのですが、伯爵家の御嬢さんが下男とできて 自殺しなければという非劇ですが これを日本で上演するには伯爵家とか男爵家といってもピンと来ない。それを日本の武将の娘が足軽と・・最後に腹を切るという設定にしたら当たりました。それから毎年続けて20年になりました。去年の五月に人間国宝の能楽師それと狂言役者で信長の武田勝頼との戦い 先勝祝賀が行われた菅神社のすぐ傍で、その再現をここでやりました。いま9か国から、この芝居を持ってきてくれとオファーがきています。浅草に忍者屋敷がある。手裏剣投げなど外国人が行列を作っています。タテ殺陣は竹光なのですが、うちは金属製の物、ホンミ、それは真剣と同じで音も出して迫力を増しています。鉄の刀を甲冑にぶつけてカチッ と・・SEなど使わないで迫力のある芝居をやっています。 四月に信長 真田十勇士をやります。オリンピックに来た人たちに パット見て日本文化が分るような演劇の場を準備したらどうかと思います。先日「オイデヤス」というヒイラギ亭という架空の料亭の京都のモッタイナイの精神を大事にしてヒイラギ亭のおかみさんと娘と従業員との関係を描いたものですか お芝居をやっている間に劇団員が150人のお客さんへの料理を準備して150人にお料理を食べて頂きました。切り干し大根 ひじきは 先刻お話ししたお年寄りから教わったものです。日本人ならではわからないとされている良いものを外国の人に少しでもご紹介できればいいと思います。一つは芝居小屋を作って常時上演したい。その周りにはおでんや焼き鳥のある屋台を置きたい。その前に日中間のお芝居を考えています。大化の改新あの時代の高句麗・新羅とどう付き合っていったか? これは日本人もあまりよくわからないままに・・・ヨーロッパではお互いに手を組んでいますし、スカンジナビアでも・・悲しいかな、日本では日・中である目的を前提として手を結んでやるという発想がありませんね。これも四年の時間をかければ なんとかなるかもと思っています。そういうことを目指して現在努力しています。
【井関】その前に 小松さんから・・今の関連でお話し願いたい
【大脇】さっき中川先生の原子力の問題とか、・・それと地域おこしの説明・それからお話しいただきたい。
【小松】・・・虫の目 鳥の目 もう一つ時間軸 地政学か地勢学か?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・????
言葉が文字になり 文字が印刷され いまスマートホンで情報が???
出雲大社は火をもらって 火は火薬 ダイナマイト 日本は一番初めに核の洗礼を受けた
すべて受け止める 当事者意識
日本列島は東西に長い。また暖流にかこまれて氷河期が短い。もう一つ、台風が来る。火山、それで表土が多い世界の中で落葉樹・・日本の中で村八分、将棋も日本に来ると五角形決定的に違うのは敵の駒を取って使う。中國と韓国皆殺し。日本は相手のものを取って、それを使う。王将戦をやってくれというがやったことがない。
【井関】ご自分でも 将棋を?
【小松】私のはケンカ将棋 ・・・・・・・・・・世界の壁画・・・・・・・・・・・天国と地獄 大きな壁画 どこに視点が最初に行くかでその人の考え方がわかる。人生 現在未来の方向が分る凄い仕掛けですね それがビデオで・・
日本は 火事場の馬鹿力・・・・・・・・
産業革命 とんでもないことに・・ロンドンでは浮浪者が増えて
【井関】ジオポリティックス
【小松】人間は誰かに引き立てられないと社会にでられないでしょ それなしで上がっていくのが二つ それは人の嫌がること 人に借りをつくらずに世に出る方法だ
お金は儲けるのはやさしい。意義のある使い方にするのは難しい。
【井関】それは生物体というものはとんでもない可能性を含んでいる。周りの環境、人間関係も含めてそれとの相互作用どんな形で出現、具体化表出できるか。物理学というのは人間の意識の外に物が存在していてですが、人間は内発的にだしてくる。そのチャンスを作ってやれるかですか
【井関】その辺で・・改めてお話しを頂きたいと思います
【小松】世界の文明を島根の原発が創ります。
【井関】有難うございました 地政学というのは もうすこし広い意味があります。
【小松】週刊ダイヤモンド先週号に詳しく・・ http://www.owaki.info/olympic/chiseigaku.pdf
【井関】それでは市河会長のお話をお願いします。
【武内】皆さんにお配りしていますが 市河会長の資産は言うなと言われましたが100億を超えているということです。私は、「それは成功者だ」と言いますと市河会長は、「成功者ではない、それは普通のことだ」と言うことです。今日は 「創価の生命哲学と経済活動」となっています。もう一枚、練馬区の創価学会の平和会館のコピーです。これは市河会長が寄付したものです。「これが福運を開くもとになる」というのが会長の信念のもと、人生を切り開いてきたそうです。一言付け加えさせてください 市河会長は経済学に鋭敏な感覚をお持ちです。江戸時代の殿様、藩というのは法人である。そういう観点からの日本経済の見方は初めてでした。小泉信三塾長がマルクスの労働価値説を批判していますが、市河会長はその批判に対して「人間が見えない」とおっしゃっています。それは1965年、その四年後の69年のジェームズ・ブキャナン(公共選択輪・財政学者・ノーベル経済学賞受賞)も「人間が見えない」との表現。発想の原点が同じだと思い会長の弟子になると宣言しました。
【井関】それでは人間を見せて頂きましょうか?
【市河】今の人は学会員ではありません。こういう会合の問題点は社会的に大きな影響を与えたことと言えば、今日は来ていませんが、佐藤敬一さん、あの方と亀井大臣に陳情したのが法律になりました。佐藤さんが調べたところでは172万社がその法律を利用して経営が維持できたそうです。そういう形の結論を出すような会合にしなくちゃと・・いつも上っ面を滑るだけで中身が乏しい。結論ないままにビデオで撮っても意味がないと思います。
私から見たら、出版しませんかとか、みんな集まって国連へ提言しようとか、中には国連の認定NGOもあります。社会的に見て相当の立場の人、実績のある人達が集まっているにもかかわらず、なんか一生懸命疲れるほど、時間かけてやっていますが、たとえばここには少なくとも新聞記者、NHKの記者だって来たら良いのだ。そういう具体的な結果が出るようにするのはみんな反対なのか?たとえば今日話しているオリンピックに問題があるとすれば、オリンピックを司っている担当大臣もいるし、都知事も関与しているではないか?そういう所へどんな提案をするか、そうすればNHKから取材に来てもおかしくないじゃないか。結論を出さないといけないと思うのですが、皆さんはどうですか?
あそこでビデオ撮っているが、いくらやったってそれで終わってしまう。私から見たら非常に観念的なのですよ!
【井関】おっしゃる通りです。
【市河】仏教的に見たら「理の一念」で「事」が出てきませんね。もう少し地に着いた結論がでるような会合をして頂きたい。
【井関】始めて出会っただけでは、それは無理で何をしていらしたのかがわかってきて、二回目、三回目からそういう会合になると思います。お互いにまったく知り合いではないので・・。
【市河】創価学会や政府にも対して注文を出したって良いですよ。「ここがおかしい、こう変えたら」とか・・。「できないのなら理由を明示してくれ」と。
【市河】創価学会も国連の非政府団体である。世界的にトップの立場じゃないですか 池田大作も言っているじゃないですか それに賛成か 反対か 反対でなければ一緒にやりましょうと。取り次いでもいいですよ。特に創価学会が宗門と別れて以後非常に幅広くなっています。たとえば 昔はキリスト教は外道だと言いましたが世界宗教になると外道とは言わないと・・。日蓮の御遺文書を参照して宗教論から言うと・・・・宗教の一分野であると共通点と相違点を議論していって宗教というものが 政治とどうかかわっていくかと・・そういう方向に進まないといかないというのが私の意見ですが、賛成なら今後ともよろしくお願いします。
【井関】耳の痛いことを・・
【大脇】いまのお話は共生、共栄の次に来るもの、「共義」の必要性を言われたのだと思います。激しい議論をするときも相手の人格尊敬し、話し合うことを求められているようです。
【市河】そこで止まってしまって 結論がない 要するに 「理」はあるが 「事」がない、理事さんというでしょうが、理事と取締役とどう違うか 理というのは社団法人など営利を目的としない団体、には理事としています。仏教用語と思いますが、「理」は観念を意味し、その理念を実際に移して実現化するのが「事」です。それが理事という役員です。たんなる理の理論だけで終われば時間の浪費になる。
【大脇】まさに お名前「政彦」の「政」政治的決断力、実行力で見える形でやるという点では僕らはまだまだ、至らないと思います。
【市河】記事が出たら その先を突っ込んでいくんです 現実に中小企業に172万社が救われたとこれは もっと宣伝して良いんだよね 面白いことには 自公政権では断ってきた 自公政権から民主党政権になってから採用して 佐藤敬三さんと俺とでやった どれほど公明党が損したか 反省しないのかという意見を出してもいいんだ。私が出すと「あいつはえらい宿題ばっかり出すから付き合うな」と言われて・・佐藤優さん 創価学会員でない人が会員が気づかないことを持ち出してきています そういう時代になったということを自覚してください。
【大脇】いま創価学会について佐藤優さんがいろいろと発言しています。池田大作さんとトインビーの対話をクリスチャンの立場から「地球時代の哲学」というタイトルで出版されています。
【市河】佐藤優さんの提言が出てきています。例えば仏性とは何か 神と仏との違いも判らない ここには大変すばらしい人脈の人が集まっていますね。その割にしては、詰めがなんだね。残念です。惜しいです。
【大脇】課題は頂きました 今後努力します。
【渡辺】第二部は、何をやるのですか
【大脇】それぞれの方が理念をそれは第一部で話したんですが・・具体的になにをやっているか、を提言とか具体的な活動を報告し、意見交換が目的です。地方で何をやっているか小松社長には出雲を中心とした活動をご報告いただきたい。
【小松】提言は誰に対してか 当事者意識が・・
【市河】そう この人に対して この団体で陳情しましょうと・・
【小松】一人から始まるが一人ではやれない。日本という言葉は 放送界やメディアでは禁句になっている。なぜ禁句になったか、裏という字は表裏で裏が先になる。ナベブタに口が書いてあり、そこで表が行き詰まった時に次のところを用意する。中國では流れを作るには 順序を踏んで時代の流れを見て 時代の先回りをして「仕掛けて待つ」
【大脇】だれを対象としたら??
【小松】自分ですよ
【大脇】国や国連ではなくて自分?
【小松】自分に対して提言をするのですよ。生物・・生命とは雌・雄に分かれたときから進化するのです。国連には日本を敵国条項としている。なぜいままで日本は敵国条項をそのままにしておいたのか?日本は敗戦を終戦とした。誰がどういう意図で終戦という言葉にしたのか?私は「日本は、人類の戦争を終わらせる使命を持った国家である」と定義つける。その先駆けを出雲が引き受ける。25年間かけて映像化する。昔は映像化は簡単ではなかった。今の権力構造の人達がやっているわけですよ。 銀行と地方銀行、メディアと世襲の中に出来上がっている一番色濃く残っていのは松江。それは原発誘致のために県の条例を変えて誘致した日本の原発の歴史でどういうプロセスで原発が創られてきたか詳しく述べた本を出しました。その中心人物がいま82歳の財団の理事中の資料が全部
【井関】そのときの結論は?
【小松】どういうプロセスかと、人権の問題は法律以前の問題、時効はありません。世界の中でどうやってその富が得られてきたのか? そういうシステムの中では自分が責任を持って行動しなければならない。ビルゲイツは自分が先頭に立って活動している。その姿を見て ・・・儲けることよりも、使うことの方がはるかに難しい。世界から人が集まる。ぜひ日本人になりたい、日本国籍の取得、 眠っている才能が開花する。
【井関】日本に行けばそうなるというのですか?
【小松】当事者意識ですよ
【井関】当事者意識を持つためには、日本の社会の中で役割を持たなくちゃいけませんね。
【小松】日本がこんな状況になったのは 日本に国是がないことが原因だ。グローバルな時代だから世界の中で日本が果たす役割を明確にする必要がある。国家の役割、まず国民が食えるようにする。国家の存在する論理的意味、物を所有する時代から物から事、事から意義なのです。
【市河『ゆう科学通信』どういう漢字をかくのですか?
【小松】「意宇」です。出雲風土記に出てくる。川の名前、郡の名前も「意宇」であった。熊野神社の所在地として知られている。
【市河】島根からは古代史、考古学との関係を研究しました。大陸との関係 朝鮮との関係と南北系の神話に出てくる日向雅の高千穂の嶺との関係・・埋蔵文化財調査・・も 島根は ヤマトシマネの島根ですよね。
【小松】アフリカで誕生した人間が気候変動で殖えて移動を始めるわけですよ。長い歴史の中で海伝いとユーラシア大陸と朝鮮半島からと北方からと四つの経路から日本列島に来た。
【市河】神話の八岐大蛇、須佐之男命、大国主命は・・・
【小松】アフリカから渡来しています。人類学者は日本人の混血の度合いが一番だと言われています。日本は世界の人類の結びの場です イデオロギーによって日本海が????
世界の神は外にあるという宗教と内にあるという宗教の二つ、日本の神道は「内にある」もの、認識は自分により認識する外にあろうが中にあろうが自分で認識する。
【市河】大和と書いて、どうしてヤマトと読むのかね。逆に言うとヤマトがなぜ大きな和になるのかわからない。
【小松】和という概念は 世界を結ぶ言葉だとほぼそういうことに・・・韓国で提言して和の研究会が立ち上がりました
【市河】ヤマト出雲が渡来人だったとすれば 韓国と仲良くしなければならない。北朝鮮は何をやっているんだと・・笑い・・
【小松】ただし殺戮の場所と終った場所をきちっと分ける。矩を越えずの矩とは何か?
【大脇】「和」のことが出ましたが 口に禾編でしょ。食べ物を一緒に食べるのが兄弟。韓国へ行ってわかったのは家族のことを「食口」という。韓国の人は「まず、一緒に飯でも」とこれがお近づきの第一歩です。
【市河】調和の和
【大脇】平和の和
【松本】日本は会社中心社会、韓国は氏族中心。日本人だからということで私を否定されない 何代目の婿ということで歓迎された。韓国人は氏族中心だから富とか地位は氏族単位で考える。香港人と中国人、香港人は親族や親密な相手にはよくしてくれる 香港人は成功したら親族が集まってきて、大勢で暮らして、お金がたまったら、部屋を買う。マンションに住まないで貸す。またもう一つマンション買う。自分たちの親族でない人は低賃金で奴隷の如く扱う。それを見ると文化が全然違う。仲間か親族になったら親切にされる。彼らには中国人、香港人という概念がない。「自分の国がどうなろうと違う所に行けばいいのだ」という認識。水も大気も汚染されている。中国人は平気だ。移民で中国人が来ても不安がある。
【大脇】僕もアメリカで比較文化論を専攻したので良く分かる。中国・韓国には「門中システム」血族は四親等で団結 これが両国の文化。アメリカはクラブの趣旨目的に合えば、どんな地位、でオンア家系であろうと参加が可能。日本はアメリカ型と中・韓型の中間に位置している。日本は家元制度のように疑似家族制度である。血族型とクラブ型、長所も裏返したら短所になる 景気良い時には日本型経営が世界一だと言い、不況になると日本システムはだめだと アイデンティティがしっかりしてない。これからは比較文化論的アプローチが重要です。
【井関】一方でグローリゼーション、他方でジャパナイゼーションが有り得ると・・。その「日本とはこうだ」というのは 「いつごろの日本」ですか残念ながら家が潰れ、家系が断絶、家族が分解し個人としてバラバラ、現状認識としてこういうのはどうですか?
【大脇】グローバリゼーションをもたらしたものは科学技術ですよね。それに対して伝統的な精神文化 家族とか中心としたシステムが形骸化した。このことを警告したのが20世紀の初頭の文明論者なのです。これは非人間化(ディヒューマニゼーション)です。彼らに警告されても人類は受け入れてないこのまま近代化(Modernization)、個人主義、自由主義、民主主義で行くのか いまこそ伝統文化を再評価しながら近代化の利点も取り上げ新しい人類文明創造への瀬戸際にあると思います。 オリンピックが一つの契機ではないかと。
【井関】それは西洋文明の修正でもあるということですか
【大脇】40年前の時代認識、世界平和教授アカデミーを創立した時、財界人と「新しい文明を語る会」創ったソウル詰趣旨文は、人類歴史において日本文明が果たすべき役割について唱っています。東西文明の融合と新しい文明の創造です。
【井関】大脇さんの発言で一つはっきりしたものがあります。オリンピックというのは世界中の人たちが集まる希少なチャンスです。このときに日本はすでに欧米化していた。
素書き途中まで! 続く・・・・。