小生、7月10日より54年間住み慣れた東京を後に、伊豆へ移転し、修善寺の近くからお便りをしています。
7月3日、『永遠の空：知覧特攻隊』の演劇を新宿で見ました。7月9日、日米の心の懸け橋となったアーウィン・ユキコさんの追悼会に参加、同日福島第一原発元所長吉田昌郎さんを偲ぶ会に真心を尽くして追悼記念講演を捧げ、選挙当日引っ越しをしました。最近長年の親友も他界する者も多く、地上に生きる意味を痛感させられるこの頃です。
現代文明は死を忘れた文明です。科学・技術で科学（全知）と技術（全能）を得たと思いあがり、精神性、人間性、神性を見失った物質文明です。1974年11月、東京でローマ・クラブの第2回国際会議が開催された折、「科学技術の行き過ぎ、社会科学の怠慢、哲学の貧困、宗教が死んでしまった。」との的を射た発言は今も忘れられません。
２、文明の大転換期
今年小生は、「理念なきオリンピック」に危機を感じ、野田一夫先生等と何回か会合を持ちました。「この問題解決は中曽根先生を除いて無い」との忠告で嘆願書をしたため、韓国の有識者を誘ってアジアの未来を拓く夢を抱きましたが、もはや小生の分限を超えたビジョンと諦め、今の道を選んでおります。
ガンジーの碑文にある「7つの社会的大罪」、いずれも精神性を見失った現代文明への痛烈な警告です。西欧グローバリズムに席捲され、かすかに残る東アジアの三大美徳、忠孝烈、これはいずれも対象価値で相手に尽くす価値です。自己主張を続けて来た西欧近代文明は没落の運命のあることは多くの文明論者が予言してきました。このままでは核の脅威、南北の格差、環境問題いずれも解決でいきません。ましてや便利で豊かで快適な生活が幸福への道と錯覚して、忙しく破局の道を転げ落ちているのが人類の偽らざる生態ではないでしょうか！
物から心へ、個人から連体へ（関係性、縁）へ、瞬時から永遠へ（持続性）へ、今こそ文明の大転換を図る時です。2020年東京オリンピックが東西を融合した新しい人類文明の胎動の契機になることを祈念しています。
３、怨讐を超えて
早稲田の恩師、西原春夫先生は「勝敗超克の思想」を述べていらっしゃいます。幕末の坂本竜馬の薩長同盟、返す刀で大政奉還のウルトラ・シーはより大きな共に生きるビジョンを抱いていたからこそでした。キング牧師、マンデラ大統領、サダト大統領いずれも怨讐を超えた大きなビジョン、生死を超えた普遍を見つめた人々でした。
小池先生に関しては、Ｎ先生が、「小池百合子こそ日本の希望、総理にふさわしい人材だ！」とおっしゃった言葉を忘れることができません。安倍首相は戦後日本を終わらせ、「普通の国家」にする切り札と思っていますが、小池先生は人類史に日本文明を位置づけるジャンヌダルクを超える、日本の、アジアの女神かもしれません。自重され天命を見事に全うされますよう、蔭ながらお祈りいたしております。
大脇 準一郎 拝
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