神有月 和譲平和フォーラム
「美しい日本」を標榜し、安倍内閣が発足しました。折しも北朝鮮は地下核実験を
したと発表し、韓国からは北東アジア初となる国連事務総長が選ばれました。
日本は常任理事国入りを国連参加各国から賛同を得ることが出来ず、隣国との
歴史認識の差は広がり、真の和解にはつながりにくい状況になっています。
出雲大社は五穀豊穣のシンボルであり、お互いに与え合うことによって新しい
国家を生み出した「和譲」の地です。古代より深い縁で結ばれたユーラシア大陸、
朝鮮半島の対岸にあるこの中海・宍道湖圏で、心ある世界の人々と縁を結び、
二十一世紀の平和のモデルを作る時が来ました。
全世界で約四百万人の実践者があるマクロビオティックの権威、久司道夫先生と、
世界で最も激しい紛争地帯で平和の尊さを体得され、日本文化の研究者でもある
エリ・コーヘン イスラエル大使から、それぞれメッセージをいただきます。
お二人の講演は、この中海・宍道湖圏に世界から智慧と厚志が集まり、和譲に
よって世界平和を生み出す、歴史的な出発式です。御参席賜りますよう
御案内申し上げます。
           財団法人 人間自然科学研究所 理事長 小松昭夫
和譲について
出雲大社の管長(千家達彦管長)から先日、和譲という言葉の生まれたいきさつを伺いました。
二宮尊徳先生から商売人が、推譲という言葉を風呂の中で教わった。向かい合って一緒に風呂に入り、
真ん中に桶を浮かべて、「桶に触らず自分の方に、桶を近づけなさい」といわれた。商売人が水を
手前にかくのですが、桶は動かない。そこで二宮先生が商売人を横にどかせて、手で水を前に押し出すと、
桶は風呂の壁にぶつかり、今度は逆に手前に進み出し、ついには先生の手元まで来た。このときおっし
ゃった言葉が、推譲。
管長はこれにヒントを得て、聖徳太子の「和をもって尊しとなす」を組み合わせて、和譲という言葉を
昭和
35年に作られたそうです。辞典に推譲は載っていますが、和譲は載っていません。
私の解釈ですが、和譲とは「時代と、土地の使命を感じ、対立や矛盾を大局的に捉え、恒久平和につなが
る共通の目的を具現化するため、察して、お互いに与え合い、パートナーの関係を生み出すこと」。
和譲 神有月平和フォーラム  ごあいさつ
このたび出雲大社で「神有月 和譲平和フォーラム」を開催させていただくことになり
ました。
祈念講演として、食を通じた平和運動で、世界に400万人の実践者を擁するマクロ
ビオティックの権威、久司道夫先生と、世界で最も激しい紛争地帯でご苦労され、
日本文化研究の権威でもある、エリ・コーヘンイスラエル大使をお迎え致しました。
日本には世界に類例のない平安時代350年、江戸時代250年の、長い平和な
時代がありました。
その起源は、共通の目的を具現化するため、お互いに与え合う「和譲」の文化を
生み出した出雲にあると考えています。
韓国から国連事務総長選出、北朝鮮核実験を「天の時」と受け止め、このフォーラムを
契機に、朝鮮半島の対岸「出雲」から、恒久平和を生み出す、新たな和譲平和学・平和
事業を立ち上げたいと念じています。
既にこの事業を促進するため、北京オリンピックに合わせ、平和・環境・健康の視点
から編集した「中国古典名言集」を日・中・英・韓の4ヶ国語で出版すべく、準備を
進めています。この歴史的な出発式に御参席賜り、誠にありがとうございました。
財団法人 人間自然科学研究所  理事長 小松昭夫  
和譲平和フォーラム 出雲宣言
この美しい水の惑星には、66億人が住んでいます。
日本人は東西冷戦下、世界一の長寿国となり、平和を享受してきました。しかし、
世界には貧困と飢餓、また戦火の中で、生存すらおぼつかない多くの人々がいる
という現実があります。
現代科学・技術文明は、人類に快適さを与えてくれた半面、地球生態系の破壊、
核の脅威、非人間化をもたらしました。
この難局を打開すべく、国内外から日本発祥の地とも言われる出雲の地に有志が
集結し、“和譲平和フォーラム”を開催致しました。フォーラムに参画した私達
一同は、人類恒久平和の実現を祈念して、次の通り「和譲」出雲宣言を致します。
.和譲平和学・平和シンボルタワー研究会
  出雲大社の和譲の精神を発展させ、和譲平和学の研究と世界の戦争で亡く
なった方々を記録する、平和シンボルタワー建設の研究。
.映像による世界の戦争・平和歴史記念館研究会
共生文化を世界に先駆け生み出すため、世界の戦争と平和歴史記念館が、
全国各地から映像で見られる環境整備研究と各国記念館の縁結び及び訪問
動機付けの研究。
.先端科学技術を活用した環境・健康研究会
汚染が深刻化している中海・宍道湖圏で「災い転じて福と成す」微生物・
IT技術を活用した、新しい農業・漁業、下水道技術、また大地・魚場の蘇生化、
循環型農・漁業システム、高免疫力食料

              2006年(平成18 神有月)1121
 
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