台湾元総統の李登輝には“幻の講演原稿”がある。「日本人の精神」。李氏が平成14(2002)年11月、
慶応大学三田祭のために用意した。慶応での講演は外務省が訪日ビザ発給に難色を示して中止となったが、
原稿は河崎真澄・台北支局長(当時)が本人から入手して同月19日付の産経新聞本紙に掲載された。
日本人が誇るべき「公に奉ずる」精神。それこそ危機の時代を乗り切る「精神的指針」と訴えた。新型コロナ
ウイルス禍を生きる今の世代への“遺言”ともいえよう。全文を紹介する。
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