Sun, 01 Oct 2017 06:06:02 +0900
寒露の候、身の引き締まるこの頃です。皆様におかれましては益々ご清栄のことお慶び申し上げます。今、時代は大きな転換点を迎えつつあるように感じられます。
1、戦後政治の総決算と未来の選択
戦後72年、この10月8日に始まる総選挙は、戦後体制のからの脱却の契機となる新しい日本胎動の歴史的選挙となるであろう。
敗戦後の我が国は、廃墟の中から経済復興に努め、経済大国となりました。経済力の向上に伴い、国際社会の中で相応の各割を果たすことが、求められるようになった。経済協力から政治協力への推移は当然と流れ言える。
この度の総選挙は、戦後の自民党政治の総決算であり、その真価を問う選挙だと言われている。これに対して、最大野党民進党は党の旗を降ろし、「希望の日本」に合流する趨勢を見せている。「何でも反対」で、政府の政策のあらさがしに狂奔をし、国益そちのけの党利党略に走った当然の結末である。松原代表は選挙予測の科学的データーからそのことを実感し、この度、腹をくくった行動に出た。 希望の党の小池代表は、「安全保障・憲法で意見の合わない人を入れるわけにはいかない」と突っぱねている。
このことは至極当然の ことと言える。そもそも与党と野党の起こりは、右翼・左翼、人間で言えば右手と左手である。右手、左手は胴体のための両手である。
今までの政党は、全く動物にも劣る異常な状態であった。ろくな仕事もできず、なかなか前にも。進めない 。国民の税金の最大の無駄遣い(浪費)であった。
国会運営の諸経費は、実に、一日1億円以上かかている、メディアの宣伝費用、国益から見た効果の再評価も必要であろう。
胴体は何のためにあるのか?頭脳をためである。「安倍首相は政策でフェアーな戦いをししょう!」と述べている。「希望は良い名前だ!」とさえ言っている。この発言を正面から捉えれば、国益を目的とする”健全な“二大政党時代の幕開けを大いに期待できると言えよう。
2、「希望」とは何か?
「希望」とはビジョン(構想)であり、夢(ロマン)である。「ビジョン(幻)無き民は滅びる。」とは、よく知られたユダヤの格言である。かつて、E. コーヘン駐日イスラエル大使(当時の講演を何回か拝聴する機会があったが、会の始めに会の初めにイスラエル国家と日本国家を斉唱した。其の折大使は、「我が国の国家のタイトルは”希望”だ。」と述べられた。新鮮な刺激を受けたことを今も忘れない。亡国の憂き目に会い、国が無い故の悲惨な歴史をさんざん体験したイスラエル。「2度と国が滅びる憂き目に会ってはならい。」との固い決意の元での国民皆兵制(男女とも)の入隊式は、マサダ要塞で挙行される。各兵士は、銃を授与される時に、この誓いを新たにする。國と言う字は、四角の囲いの中に武を書く。國は武力で守ることを表している
人間の身体は、白血球に働きにより、外界に存在する幾億兆万の病原菌から守られている。
国民皆兵(男女とも)の入隊式は、マサダ要塞で挙行される。各兵士に銃を渡す時、この誓いを新たにする。國と言う字は四角の中に武である。國は武力で守ることを意味する。人間も幾億兆万の外界にある病原菌から白血球が守ってくれている。自衛は自然の理である。 武の戦いに敗れて国を失ったユダヤ民族が 1878年後、不死鳥のごとく建国、再生できたのは「希望」があったればこそであった。アウシュビッツの死の牢獄を超えることができたのも、この「希望」あったればこそであった。(参考: 『夜と霧』V. フランクル、「夢をください!」中学2年女子学生の詩)
小池代表は「アウフヘーベン」と言う言葉を使った。希望の政策は決して希望の党だけのものではない。安倍首相の言うようにみんなのものである。各政党がそれぞれの「希望」を出し合い、フェアーな公論を国会の場で展開してもらいたい。そうすれば国民も、どの政党の「希望」が最も好ましいのか、容易に選択することができる。重箱の隅を肘くるような後ろ向きで、見え透いた党利党略でうごめくことは真っ平御免である。寄生虫、がん細胞のような姑息な言動は今回限りでやめにしてもらいたいものである。
アウフヘーベンされた「希望」とは何か?
今、与党野党共に見失っているのは 世界の中の日本の位置づけ、即ち、「世界平和に果たす日本に使命(役割)」であり、その使命の自覚と実行の意思、言い換えれば、世界観を確立することである。
民主主義の最大の弱点は、大衆迎合のポプラリズムに陥ることです。アダム・スミスは「人には利己心と同時に、利他心がある」と指摘した。フィリイプ殿下は、「マスメディアによってひとは利己的なものであるかのように吹聴されているが、実際は、世界の8割以上の人々は、何か他の人のために役立ちたいと思っている。」と述べている。
自由民主党は日本の政党なのか?「自由」も「民主」も西欧近代化のスローガンであったが、いまや終焉を迎えている。このことは20世紀初頭『西欧の没落』に始まり、多くの文明論者が予言していたと通りである。核の脅威、貧富の差、環境破壊、人間性の空洞化は近代文明の抱える病であり、瀕死の状況にある。この文明的危機を乗り切る智恵こそ、人類の希望であり、日本の希望である。そのような歴史的使命を担う、日本の伝統に根差した新たな政党名を期待したい。
3、明治維新と現在の政局(平成維新)との同時性
小生には今の政局の流れと幕末、明治維新の流れとの同時性を痛感する。
犬猿の仲の薩長が倒幕という共通目標で結ばれ、倒幕のとどめを刺す最終的局面で「大政奉還」のビジョンの下、佐幕派も勤皇派も和合し、明治維新は達成された。世界の歴史研究家たちは、明治維新は世界史に類を見ない犠牲の少ない革命であったと評価している。そこには、坂本竜馬、西郷隆盛、桂小五郎は言うに及ばず、その陰には勝海舟、後藤象二郎、山内容堂、徳川慶喜、和宮らの大局を見越した敵味方を超えた人間味あふれる共通の信・敬・大義があった。新政府はかつては たとえ政敵であっても有能な人材には礼を尽くして登用した。 「シンガポールやマレーシア等、戦後独立したアジアの新興国のリーダーたちは、近代化の見本として日本を学んだ。漢江の奇跡をもたらした朴正熙大統領は、明治の近代化を手本とし、明治天皇のような国父となることを夢見ていた。小生は翌年から訪米したので十分なお世話ができなかったが、1984年8月、黄永時氏(元韓国監査院長)は、「日本の神髄を学びたい」と来日された。その時の日本研究の課題は今も印象深く残っている。【アジア太平洋時代のビジョンはどうあるべきか?】
自民党と希望の党の政策論争において、気になるテーマが、原発問題である。
小池代表は小泉元首相と会い、反原発で行くなら応援するとの条件付き約束を得た。
徳川幕府のように長年権力座についているとしがらみは避けがたい。自民党も同じ状況におかれていることは十分理解できる。それに反原発でおしまくられたら、都議選の二の舞、いやそれ以上の地滑り的大敗を期する恐れがある。これを避けるためには原発反対、賛成を超えて、双方が納得するような高次の普遍的ビジョン、それこそアウフヘーベンした政策ビジョンを提示することである。 核戦争の脅威が益々現実味を帯びてきており、核廃絶の道は膠着状態にある。これに風穴を開け、世界平和への確実な道を拓くには、トリウム熔融塩炉の原発を国家プロジェクトとする国家方針の選択を決断することである。すでに中国やロシアはトリウム溶融塩炉の開発に国を挙げて取り組んでいる。10月1日から京都で開催される年次STSフォーラムに参加する安倍首相は世界の最先端の技術情報の動向に鑑み、日本の科学学技術政策について熟考され、日本の未来を賭けた歴史的政治的決断をされることを期待したい。【原子力と平和】
小池知事は『人のお世話にならぬよう。人のお世話をするように。そして報いを求めぬよう。』(後藤新平、自治の三訣:「自助、互助、自制」)を都議会の知事就任所信演説で2度も繰り返した。給与も半分は返還。その志とボランティア精神が日本の政治を変えることをいに期待したい。小池都政に対する批判、「ポプラリズムに過ぎない」との批判の声も聴かれる。果たして小池知事は、目先の人気取りだけの一過性の政治家なのか?「人を相手にせず、天を相手とせよ!」との西郷隆盛の遺訓を胸に、小生は、もう少し様子を見たいと思っている。「情熱・責任感・判断力」(政治家の資質:M.ウェーバー)、その中でも何に対する責任感なのか?その責任の範囲と実質が問われている。日本を変えるのは、やはり、そのような資質を備えた政治家だと思う。
4、高邁な志、ネットワーク、果敢な行動
小生が海外で自分の人生を賭して行ってきたNGO活動は、資金が続かなかったので、21世紀に入ってからは、日本に定着する道を探さざるを得なくなってきた。しかしながら、「お金が無くても、人が応援てくれようが、くれまいが、世の為、人のために何やりたいかやりたい!」との長年のボランティア心情を抑えがたく、模索3年、日本総研の新谷所長(創発センター長:当時)との出会いがあり、そこから未来構想フォーラムは生まれた。創立趣旨文にも 謳っているように、未来に視点を置いた超党派、超宗派のより良き未来を構想し、実現しようとの志を持つ有識者の集まりである。 【未来構想フォーラムとは?】
2002年創立以来、15年を数える。 その間、長期的視点、国際的視点から本質に迫る課題とその解決策の提言を続けて来た。その活動の記録はDVD,
動画、出版、ホームページ上で公開している。過去の貴重な資料は人類の知的遺産としてデーター化することにも取り組んできた。有志の相互間の連絡と未来構想を生む「e-mirai
:良い未来」のグループメールは、今では1000人を超えるネットワークである。世の中を変える力は「価値・システム・技術」であると言われる。小生はこれを「高邁な志、ネットワーク、果敢な行動」と理解している。
シンクタンクが育つには、日本の土壌は極めて貧弱である。我々は、逆境と不条理をバネにして、政党(胴体)のビジョン(補完する頭脳)を創り、さらなる知的貢献(知識の社会的還元)に努めたいと思う。
NPO法人 未来構想戦略フォーラム代表
地球市民機構(【市民国連】)副理事長 大脇 準一郎
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