「街づくりのモデルをもとめて」悠木の里:小国町(熊本県)
大脇 準一郎 Oct.17’ 95
1、 小国町活性化の三要素 : 木・交流と学習・行政参加型
昭和60年(‘85)町制50周年、宮崎町長21世紀を見据えた「悠木の里づくり」を提唱。
農村活力を失った理由 ⇒ 時代に合わせて自ら変化していく努力を怠ったため
豊かな自然とコミュニティを生かして町づくり ⇒ 木の復権と人の意識革命
@ 木(アイデンティティー)
「ゆうステーション」(駅の跡地に交通センター、木の立体トラスト法、ミラーガラス)
「小国ドーム」(体育館:大型建築物の適用条件をクリヤー、建築基準法を変えさせる)
A 交流と学習
木魂館(研修宿泊施設)、北里柴三郎(交流と学習)記念館隣接
地域づくりの研修に年間10万人以上が来訪
B 行政参加型
「ピッコロクッチーナ」(木魂館内で料理を提供する主婦のグループ、全員調理師免許取得、
世界の料理を提供 「ふるさとづくり」最優秀賞受賞
「コミュニティープランニングチーム」(土地利用計画チームの編成、「よそ様の土地に夢を描こう」
自分たちの地域の将来象を計画 ⇒ 住民自 治の芽生え
「悠木産業株式会社」(第3セクター:林業を育林から生産加工、建築まで一体として捉える。
平均年齢:32才 第3セクターには補助事業は適用しないという国の方針を変更させる。
2、 小国町のグランドデザイン/診断
@ コミュニティプラン(草根の自治能力、地区担当制、住民が広い視野、長期展望、
総合的にプラン EX. 土地利用、広域的役割、産業の振興)
A 心の豊かさ(生活の質)
EX. 文化(美術館・図書情報館芸術家の住むまち)、教育(小国教育、女性コミュニティー・カレッジ、学びの里)
福祉(高齢者パラダイス、福祉教育、生涯学習)、CATV(情報・通信)、イベント(悠木の地球フェアー・収穫祭)
B 住み良さ(生活の豊かさ)
快適環境(町並みのデザイン、夜の景観づくり、緑を楽しむ、川をきれいにする)
中心市街地(個性と風格のある都心)、ライフスタイル(リサイクル 地域内循環、職加工工房、倉庫付住宅)
C 仕事(経済的豊かさ)
地域開発(温泉、地熱の利用、リゾート開発、地球の森)、産業振興(高付加価値農業、
商業ルネッサンス、企業の支援、街づくりビジネス)
D 人材確保(企業誘致 ⇒ 人の誘致
小国ファンの増加
E 診断
聞き取り調査25人の内訳(行政4、管理職5、個人8、移住者3、街外で関わっている人5)
行政マン:システム、心豊かな生活、仕事/国・世界
管理職:仕事、心豊か/システム
個人:心豊か、自然環境、仕事/教育
移住者:心豊か、自然環境
町外者:システム/心豊か
活性化のキーワード
T, 心豊かな生活(36.7%) U, システム(交流・補助制度・24.5%)
V, 仕事(15.6%) W, 自然環境(11.1%) X, 教育(6.7%)Y, 国/世界(5.6%)
ISM法(Interpretive Structural Modeling)構造化 ⇒ 別紙「図5-2-1問題点の構造化」
参照 (cf. http://www1.bbiq.jp/sekiya_z/report/ism91.html)
人口の減少 ⇒ 商店街衰退 ⇒ 財政力の弱さ
(介護者の不足、高齢化社会)
若者の減少・農業人口の激減・雇用場所不足・他
(Uターン者の受け入れ体制不足、選択できる職業のなさ、近所づきあいのしがらみ、
農業問題の教育不足、工場の大規模化の遅れ、教育機関の不足)
? 近隣市町村との連携不足、教育の少なさ
今後の取り組み
T 図書情報館 U 小国の森づくり V コミュニティプラン W 女性コミカレッジ Etc.
3、 小国町の活性化システム
@ 宮崎町長は「心豊かで、住み良い街づくり」のビジョンを掲げ町民主導の街づくりに高めた。
A 町長を中心とする議会(政)、役場(行)、コミュニティ。チーム(民)のシステムが
魅力あるビジョンづくり(デザイン化)の方向にトルネード現象を見せている。
B 町内要因:まず女性を巻き込む。相互交流(フォーラム、研修会)、町民の提案制度、
アドバイザーの養成、派遣、活性化研究助成、町外要因、国を利用、近隣地域間協力
C 町民を巻き込む。若者のUターン、芸術家の移住、年間10万人以上の研修者の来訪
4、 全国の街づくりの例
Ex. 岐阜県の加子母村が、木の街づくりを行っている。 http://www.kashimo.jp/
http://www.kashimo.net/fureai/sanrin/index.html