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 上意下達と下意上達、双方の運用を!

1、これからは大ホリスティック医療 帯津良一院長の講演より(注1)

 
(1)提唱と理解者 
  
   
 大ホリスティツクを提唱したのは三年前、個人として提唱しただけでは、認知度は
低い。(注2)
2016年5月大ホリスティツクの実態を世に広めるに出版を決意した。「大ホリスティツク
医学入門」というタイトルだが売れなかった。出版社も売れないという予測をしていた
ので出版まで難航した。
売れなくてもとにかく出版したところ、私の病院に、思いがけない結果が生じた。
 なんと若い医者が4人も私の病院のスタッフに加わってくれたのだ。大抵の病院は
勤務医集めに苦労しているこの御時勢にだ。こればかりではない。看護婦さんもこの
一年で15人も増えた。
有難いことに若い美人の看護婦さんばかりだ。またソシャルワーカーも長い間一人が
頑張ってくれていたのだが、それも2人増えて3人体制となった。特にソシャルワーカ
ーの増員は私の大ホリスティツク路線を進める原動力になる。医者+看護婦+ソシャル
ワーカーの三者による患者を人間として、その人間丸ごとひっくるめて快適な毎日を過ご
せるようになるまで面倒見るのが大ホリスティツク医療なのだ。もちろん作業療法士、
理学療法士も加わるのは当然なのだが。
自慢ではないが、私の病院は治療のレベルは高いのだ。 それは去年の10月14日、ある会合
で眠りをして椅子から転げ落ちて鎖骨を骨折した。則,自分の病院へ搬送してもらって手当
をしてもらった結果、その過程のすべてを判断すると私の病院の治療レベルはかなり高い
と判断した。そこで大ホリス.ティツクを順序だてて説明しよう。

 (
2)ホリスティックな視点からの取り組み

 1)人間丸ごと、医学の対象とする。疾病した部分だけを見てきた従来の医学とは、
   ここが違う。
 2)医学の歴史は西洋医学の歴史と一体化している。この認識への反省として「生命の
  場」には「免疫力」は根源的な機能を持つとの認識を持つこととする。  
 3)今、我々はこの世にいる。いつの日か、命の限界を迎える。現世と来世、生と死の
  統合、これも大ホリスティツクの目的なのだ。
  生命の場には養生が重要だ、といっても「攻めの養生」を提唱したい。身をいたわる
  という養生は「守りの養生」だ。「攻めの養生」とはベルグソンの言葉を借るならば
  「自己実現」である。この「攻めの養生」は免疫力を高揚させる。
 「自己実現」は「歓喜」と一体化する。「攻めの養生」⇒「自己実現」⇒「歓喜」
  この連鎖の毎日が送れるように患者を人間丸ごと対処する。これが医学の真髄で
  なければなるまい。「攻めの養生」が実効を現すのが人生の後半である。
  貝原益軒「人生の幸せは人生の後半にあり」 「道を楽しむ者は,命長し」
  人生後半の幸せには条件がある。①生活費、②健康、③生きがい
  医学は②健康だけを対象としてきたが、人は社会の中で生きているので、①生活費
  ③生きがいも含めての「大ホリスティツク医学」だ。この世だけでは味気ない。
  あの世は有るとも無いとも言えない。立川談志の言葉で締めくくろう。「行った
  きりで誰も帰ってこないところを見るとあの世は素晴らしいところだろうなあ!」

フォーラムの感想:「東西の存在観の違い」

 上記は参加者の一人、武内光路氏の心に残ったイメージで、「熱弁と内容に感動しま
した」とのコメントであった。
小生は、帯津先生の心からの喜びあふれる、まさに満面笑み、照り輝くお顔を見た
だけで、全てを了解できた。
ここ30年来、廣瀬輝夫先生(91歳)に師事してきた。先生の長年の万民の医療への地道な
ご活動に対して、先日有志と感謝会を催しましたことを想いおこした。(注3)
 また小生は、医療だけでは無く、今日の文明的行き詰まりの根本は、東西の
存在観の違いであることを哲学・神学の探求の中から発見した時の30年前の
感動と驚きを忘れることができない。奇跡的な環境改善をもたらした近代文明は、
科学・技術、すなわち「分けることによって治めよう」という方法です。
しかしそれは真理に至る片面に過ぎません。
「存在とは、個物であると同時に、関係性(連体)との二重性にある」。
帯津先生が強調されているように存在にはホリスティックな面がる。
 この文明の危機を癒せるのは、近代文明が捨象した我々東洋人の関係性:縁(仏教)、
結び(神道)に目覚めることでろう。「現代科学が言う“4つの力”も愛だ」と鈴
木エドワード氏は『神のデザイン哲学』で述べている。
 分けることによって便利にはなったが失いつつあるもの、それは愛であり、まごころ
である。生きる意味は愛であるので、便利になればなるほど、人々は人生の意味、生き
がいから遠くなっている。(注4)
 この会にご招待下さったのは、米田晃氏(覚醒医療ネットワーク代表・元日立製作所
IT技術者)です。先生の長年に渡る社会奉仕に敬服する。当日驚いたことは、創立当初、
小生の知的ボランティア活動をサポートくださった小澤顕子さんが、受付を手伝っていた
ことです。久しぶりの再会にしばし歓談、3日後のピアノコンサートにご招待したら友達を
誘って参加くださった。小生、人生で大切なことは、萬民が希求する高邁な価値観を樹立
すること、これを中心としたネットワークづくり、そして果敢な行動、この3つであると
思っています。

3、ボランティア社会の到来

 尾畠春夫氏は、明日の我々の生き方を教えてくれている。65歳からボランティア人生を
始めた」とおっしゃっている。尾畠さんの報道を視聴して、「自分は、20歳で決意し、
55年間、周囲からいろいろ言われながらも、ひたすら歩んだボランティア人生も無駄では
なかった!」との思いを強くした。
 2002年1月、㈱日本総合研究所本社で「未来構想戦略フォーラム」を共に創立した新谷
文夫氏(創発センター所長)は、「これからは、ボランティア経済の時代だ!」と述べて
いたのが印象的であった。その後の未来構想フォーラムでは、「現代の吉田松陰」こと、
大和信春氏(山口県萩市出身)を講師にお迎えし『和の実学』を野村證券、田園調布
連合会の司会で7回シリーズの講座を開催し、資本主義の次に来る経済体制を展望した。
(注5)
小生、伊豆の山中に仙人暮らしを始めて2年余、引っ越したのは都知事選挙当日であった。
小池氏の当選の祝辞を兼ね、2日間かけて「オリンピックへの提言」を編集, 印刷して
親書をお送りした。(注6)
相当分厚い提言書にたった1枚、後藤新平のモットー、自治三訣(さんけつ):『人の
お世話にならぬよう。人のお世話をするように。そして報いを求めぬよう』(自助,互助,
自制)を添えた。小生たまたまテレビのスイッチを入れた所、小池知事就任演説の最中で
あった。
その中で、2度も後藤新平の三訣を引用されたのには驚いた。正に小池知事の心情は、
ボランティア精神そのものであったからであろう。衆議院議員の椅子を投げ打っても
都政に、「都民の声を都政に!」2度の都の選挙に大勝利、余勢をかって小池知事は国政
総選挙に打って出た。しかし、都知事の職を投げ打っても国政へというところで氏は、
立ち止まった。あまりにも急ぎ過ぎたようだ。
 先日「朝日地球会議2018」で小池知事はスピーチされた。ニュースキャスターで鍛え
られた美声、容姿端麗な氏の姿に参加者は満足したことであろう。しかし、あのほとば
しる命の叫びが聴けなかったのは少し寂しかった。ついでながら「女性が拓くイノベー
ション~今必要なリーダーシップとは?」のセッション、野田聖子総務大臣の来賓挨拶にも
命を感じなかった。

 続く「台頭するポピュラリズム、危機に瀕する民主主義」のセッションでは、海外から著名なジャーナリスト、
大学教授が民主主義の危機を訴えていた。その中で佐藤優氏の「ポプラリズムを積極的に利用すべきだ!」と
の氏の獄中経験を踏まえたコメントはワサビのように会議にメリハリをつけた。
築地・豊洲移転問題、総選挙での戦いぶりをめぐって小池知事の評価もさまざまである。旧態依然としたお役所
仕事が蔓延している中にあって、小池知事はどこまで新風を吹き込めるのであろうか? 
「小池氏事は単なるポピュリストであったのか? それとも後藤新平のように東京都政改革にレージェンドを残す
歴史的人物となるのであろうか?」 いよいよ、これからが正念場であろう!

4、官僚が国民の目線なることが必要

 先日(9月28日)、都庁NGO担当者から、NPO年次報告提出の催促の電話あった。
延々1時間余、小生は担当者の方と話した。日本にボランティア、シンクタンクが育たない
のは、官僚体制にあることは堺屋太一氏らの指摘したところである。
NPO法を作成した人々の苦労もよく知っているが、国民の税金で生活を保障されて、
「汗をかくのは庶民、自分は取締役」との官尊民卑の姿勢では、真の民主主義を
望むことは、「百年河清を待つ」に等しい。
2020年オリンピックには、数多くのボランティアが要請されている。16万6千人の
都の職員が都民と同じ目線に立って、小池知事が見せた凄まじいばかりのボランティア
精神をもう一度発揮してほしい。初心に帰って、再出発を期待したい。
 かつて(2010年)、海外からのノーベル賞学者を含む11名の方々を日本へ招待、東大
駒場、広島、長崎でも国際会議、市民集会開催のお手伝いした。予算ゼロからわずか半年
で見事勝利した。予算が無いことがかえって刺激となって「この人にならでは」の思いが
けないボランティア協力を次々と得て、感動・感動の連続であった。プロジェクト終了後、
国際会議運営のベテランから「こんなすごい会議、いくらかかかったのか?」と聞かれ、
実質は彼の予想の20分の1であったので、彼は、「とても信じられない!」と驚いていた。
(注7) オリンピックが日本へ招請された当初、天井知らずの予算が独り歩きをし、
黒いうわさも流れ、国民のオリンピック熱も一時、冷めたことあった。今も、スポーツ
業界のアンフェアーな不祥事、高級官僚の不祥事が後を絶たない。いまや日本は守りに
陥っている。「折角手に入れた生活を失いたくない」というのが国民のも本音かも知れ
ない。二等国へと破局の道を転げ行く日本が踏み止まるには「守りの生活」から「攻め
の生活」へギアーチェンジすることが必要であろう。それは「人々の笑顔を見たい」との
至情からほとばしり出るボランティア精神、愛に生きることへ変貌することではなかろうか?

5、文明の融合、新文明解産の秋

 2年後に迫ったオリンピックで、「物から心へ、個人から世界的連体へ、刹那から
永続へ」と文明の大転換を果たすことを期待したい

共に、後世に残るレガシーを打ち立てようではありませんか? それには官僚も国民と
同じ目線で共に、ボランティアに徹することが肝要であろう。 民主主義の原点は
人間尊重(人権擁護)である。ひとり一人への信頼と尊敬の心が何よりも大切である。
また、上意下達の伝統社会と異なり、下意上達、民意を政治に反映するのが民主主義の
システムである。小池百合子氏は、都民の声を都政に反映しようと立ち上がった。
都民も諸手を挙げてこれに呼応した。小池知事や小澤聖子大臣らに
オリンピックの成功を
願う国民、ボランティアの力を結集していただきたい。オリンピックの大成功こそが東西
文明の融合、真の民主主義社会、女性の時代、日本文明が世界に輝く時代を招来するで
あろう
(注8)
  
2018年9月30日(10月1日)
     
2020年東京オリンピックのビジョン語る会   世話人 大脇 準一郎 
 
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*   理解を深めるために注釈を入れました。併せてご笑覧賜れば光栄です。
注1)帯津良一名誉院長、「医学と医療の目指す理想像を{大ホリスティツク医学}にある」
   との熱弁。帯津良一1961年東大医学部卒、東大外科部長から帯津病院を創立。
注2)ホリスティック(holistic) 全体的な、「手術は成功した。しかし患者は他界した。」という
   笑い話があるようではいけないとの思いで患者を全身的に治癒させる⇒患者個体を取り巻く





読者の声

Date: Mon, 1 Oct 2018 22:07:21 RE: [e-mirai:0215] 日本文明は西欧文明の病を癒す!
  大脇様、メッセージ、ありがとうございます。拝読して、また元気がでてきました。
 貴氏の精力的活動に敬意を表します。 微力ながら、私も北東アジアだけでなく、
 全地球的な観点から行動したいとおもいますので、どうぞよろしくお願いたします。

      北東アジア共同体平和機構会長  金子利喜男(札幌大学名誉教授)

 金子利喜男:早稲田大学大学院法学研究科博士課程修了、高崎経済大学経済学部勤講師、
 1982年、札幌大学外国語学部ロシア語学科助教授(国際関係論など担当)。
  1995年、札幌大学外国語学部ロシア語学科教授。2000年、世界市民法廷会長。
  2007年、NPO法人北海道ロシア文化協会副会長。2009年世界平和連邦府会長。
  2013年、札幌大学定年退職。

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東京都民、K氏より

大脇準一郎様極めて内容の濃い標記メールをいただき深謝いたします。

学ばせていただきたい多くの点(問題・課題等)に触れられている中で、小生としても
このところ生のコンテキストで、大きく悩まされている事項は小池知事に関わる問題です。

既にちょっとお話したかと思うのですが、東京都が現在住民(都民)の意向の尊重という
民主主義の基本原則を完全に無視した形で、東京都(多摩地区を含む)のいたる所で
「都市計画道路」事業の実施を強行しつつあるという問題です。(以下略) 

提案書が添えられています。
<提案書>
環境先進都市東京」構想実現のため、武蔵野・野川公園地域
     (都市計画道路
3.4.113.4.1号線関連地域)の活用を 
   ―― 2020東京オリンピック「
SDGs五輪」を目前に控えて ─