沖縄紀行と未来構想2012.6.23
T, 沖 縄 紀 行

1)生命の源流ふるさと回帰へ
 
沖縄へ行く機上、全日空の機内誌『翼の王国』が目に留まりました。「桜鱒の
ように」と題する伊東全日空社長の巻頭言
でした。釣りの話しかと思って読ん
でいたら, 最後の数行に全日空からの強烈なメッセージが込められていました。
不明にして今日まで山女魚と桜鱒が同種であることを知りませんでした。「秋
に生まれ川で1年半を過ごした後、銀白色に姿を変え海に下る「桜鱒」は北海で
大きく成長し、産卵のため母川に回帰し、大きな桜鱒の雌が小さな山女魚の雄
が追尾する。自然の摂理とはいえ大変興味深い生態である。全日空も世界の荒
波で鍛えられて成長しながら、母国日本をベースに次世代を育み、国に貢献し
たい」と述べていました。 


)真の慰霊とは?

 我々の滞在中の6月23日は慰霊の日でした。不明にしてそのことを今まで知り
ませんでした。1945年敗戦も間近なこの日は、沖縄総司令長官牛島大将を始め、
多くも民間人が自決し日で、4月1日に始まった沖縄戦が終結した日だということ
です。その日を記念して毎年慰霊祭が行われて来ました。今回「真の慰霊はいか
にあるべきか?」を考えされました。

 2年前、ノーベル平和賞を受賞されたコーヘン博士を京都で御接待した日の夜、
ホテルのオーナーの配慮で60歳の奥様の誕生祝いが準備されていました。ご夫婦
の心からの喜びの雰囲気にお二人のナチのユダヤ人虐殺で亡くなられた親族の方
々の笑顔が空間に浮かび、何とも言えない平安な雰囲気が部屋を包みました。そ
の時「真の慰霊とは子孫が本心から喜べる環境を作ってあげることだ。」痛感
したことを忘れることができません。

 毎年行われる広島の慰霊祭にしても、今回の沖縄の慰霊祭にしても、首相や県
知事を始め何千人もの参列者が参加した大掛かりなものですが、儀式・形式に流
れ、心が無いと感じます。「宗派や団体を超えて、戦没者の魂に響く、もっと未
来の人々のために平和な環境づくりに努めることを決意する場であってほしい」
と思いました。

 神社での慰霊祭の後、講演会があり、靖国神社の宮司を努め、最近沖縄第1の
波上神社の宮司となって赴任された大山氏のお話でした。1時間ばかりの講演は
太平洋戦争、沖縄戦で散っていた若者たちの死を前にして祖国を思い、父母兄弟、
妻子を想う切々たる心情の証でした。この心情をそのまま右系だけでたたえてい
たのでは日本の未来は行きどまりであることが目に見えています。

 この純粋な心情エネルギーを世界のために昇華する智恵が肝要と思われます。
またこれこそが日本元気の源泉だと思われます。


3)忍び寄る中国の脅威

 「これ以上沖縄県民だけが犠牲になるのは嫌だ」との反米感情が渦巻います。
歴史的に冊封制度に慣れ親しんで来た沖縄県人は我々が驚くほどに中国に対して
親近感、尊敬心を抱いています。中国は日本の不動産会社に働きかけて「いくら
でも金は貸せるから土地を買い占めるよう」働きかけています。このまま座視す
れば沖縄は中国の属国になってしまう恐れを痛感しました。


4)沖縄科学技術大学院(OIST):方向転換の必要性

 もう1つ、沖縄基地対策に毎年2000億円もの保障費が支払われており、この金
を使って沖縄科学技術大学院が今年9月に開校します。このたび9割方出来上がった
キャンパスを見学しました。ノーベル賞をもらえるような研究を生み出すことを
掲げ、風光明媚な高台に超一流ホテルのような贅沢三昧の建物でした。

 今まで600億円を使い、今後1000億円をつぎ込むことでしょう。ごく一部の学
者の道楽に浪費されるのが落ちで、沖縄県を復興するという泥臭い地道な仕事は
隅にやられている現状を今回学者から聞くことができました。ノーベル賞と沖縄
県振興という木で鼻を括ったような相矛盾する理念を抱え、9月開学を前にこの
大学は深刻な問題を抱えています。

 小生はこの中間に「アジアの有為な指導者を養成する」という項目を掲げるべ
きだと思っています。国連OBの方々も「アジアを代表する教育機関を何千億かか
ろうと沖縄にこそ創るべきだ」とおっしゃっています。税金の無駄遣いにならな
いようこの大学の方向転換に対して出来るだけのことをしようと思っています。
それこそが真の慰霊の道ではないかとの想いからでもあります。

参考)沖縄で感動した情報:
(1)「沖縄の激戦で逝った貴男.. 年老いたこの母には、今も23歳のままの貴男の
   面影しかありません。 日本男児として生まれ、妻も娶らず逝ってしまった貴男を
   想うと涙新たに胸が詰ります。今日ここに日本一美しい花嫁の桜子さんを 貴男に
   捧げます。私も84歳になりましたので元気で居りましたならまた会いに来ますよ。
   どうか安らかに眠ってください。 有難う。
     昭和57年3月28日    母ナミ
     佐藤武一の命 御前に(沖縄本島幸地にて昭和20年4月10日戦死)   

(2) 31年間漂流し続けて妻の許にたどり着いた奇跡のヤシの実。山之内辰四郎
   の命(昭和20年7月20日フィリピンルソン島にて戦死 )生前妻にあてて書
   いたヤシの実が31年後、故郷の島根県大社町の海岸にたどりついた。現品は
   今も存在。 祖国や家族を想い戦死した方々の切なる想いをどう未来に繋げ
   るか、そこに真の慰霊(鎮魂)、平和への道がある。 

 (3))追悼!太田元沖縄県知事 詳細はこちら⇒

(4)「平和の考える」小生の探求課題、執筆中、ちかぢか公開予定。 参考サイト:
「平和と軍縮」第22回国連軍縮会議から 2010.8.28
「平和の神話」解説」 1975.12.14
高等教育を通じて世界平和の実現を!」第6回IAUP(世界大学総長会議)から
「平和と軍縮」第22回国連軍縮会議から 2010.8.28
事実と価値1977.11
「憲靖国問題の普遍性を問う」 2013.4.28


U、2002年に始めた10年間の知的ボランティア活動
    
1)「未来構想で志向してきた知的社会貢献、シンクタンクの仕事はやはり
強力なバックがないと厳しい」
と言うことです。10年間頑張って来たお蔭で日本
や世界を動かすシンクタンクはどうあるべきはいろんなものが見えてきました。
未来構想のきっかけは日本最大のシンクタンク鞄本総合研究所の所長の支援
でした。10年後その成果を中曽根総理にお渡しする機会にまぐまれたことは偶然
とはいえ背後に不可思議な力を感じます。 

 今、注目すべきは三菱総研です。小宮山理事長は元東大総長、未来構想でも
講演をしてくださいました。発想がおどろくほど原理的です。シンクタンクのス
タンスも小生が10年間志向してきたそのものです。三菱をバックに今後大きな
役割が期待されます。また中曽根総理の平和研究所も本格的なシンクタンクです。
  大学を5つ作り、ゴルフもプロ顔負けの野田一夫先生は日本のシンクタンク
の草分けで「知は力なり」を証明されています。

2)、未来構想の活動の中から市民国連⇒地球市民機構が誕生しました。
折に触れ大学の建物を終日借り切ってやったことも幾度かありした。この市民運動
には資金とマンパワーが必要です。1)と同様、政府や大手企業、巨大団体との連
携が必須です。今年国連OB会が日本に誕生した意味は大きいと思います。地球
市民機構の事務局は87歳の企業人が支援してくださっています。   

 ここで重要なことは、市民のイニシアティブということで、地球市民機構
(Global Citizens Initiative)は良い名前だと何度もジョディー・ウイリアム女史
(ノーベル平和賞受賞者)
が言っていました。来年6月、TICADXに向け準備
も始まりました。アフリカのへの協力はNGOがリードすべきであることに年々、
関係者も目覚めています。しかしODAの半分に以上をNGOに渡している米国
と比べれば遅々たる歩みです。



V、社会貢献型のビジネス、(ボランティア・ビジネス)の時代の到来!
 
理工ブームの花やかかりし1960年代、早稲田大学理工学部に通いながら、科学技
術の先兵となることへの疑問を抱き、たとい自分が口下手であっても、人と人の
心の仲人になることの必要性を痛感し、清水の舞台から飛び降りる気持ちで一大
決心した50年前のことを思い起こします。

 南・北米を巡った後、2000年代はシーズ(種)とニーズをつなぎ、両者にハッ
ピーな結果もたらす仲介業をしています。仲保者は双方から信頼されなければ双
方を結び付けることは出来ません。意図したわけではありませんが、ここ10年
コツコツと積み上げてきた奉仕が巨大な人脈となり、自然とお互いを結ぶ役割を
依頼され、結果として生かされています。

 10年前、未来構想を共に始めた日本総研の新谷所長が「これからはボランティア経済の時
代になる」と言っていました。昨年1月マイアミに行った折、米国社会の業界の
半分以上が社会貢献型ビジネスにシフトしているのには驚きました。資本主義経
済の主流を歩んだ中谷巌氏も「資本主義とそれ以後の世界」を語っています。 
正に世界は利己主義経済から利他主義経済、互恵社会へと移行しています。小生
の苦労は多少、時代に先駆けている精のようです。今、進行中の社会貢献の仕事
の主なものは下記のようです。

1) 大学の再生

少子化が進み、日本の600の大学の内、200校、実に3割強が経営困難で喘いでい
ます。この7月末、そのうちの1つの大学の再生を依頼され、有志と取り組んでい
ます。皆、この大学の経営難はよくご存じで、渦中の栗を拾う人はなかなか居ま
せん。危機こそ方向転換のチャンス、小生は大学再建へ向けて人事を尽くしてい
ます。秋田県が設立した大学が破綻し、秋田県知事は東京外国大学の中嶋嶺雄学
長に大学再建を依頼、今や秋田国際教養大学として立派に再生し、国際人育成の
大学として東大の何倍も高く評価されています。
時代のニードに答えた結果です。
芸術系、介護系の大学ですが、何とか時代のニードに答えるユニークな大学に再
生すべく有志と構想を練っています。


B)土壌改良の仕事、海の蘇生

梶栗達也氏は50年の長きにわたって建設現場で働き、土壌の改良一筋に歩んでい
る方です。循環型社会開発協会の梶栗会長は仲間とともに今、東北震災復興のた
め、土壌改良に努めていらっしゃいます。テレビ朝日のニュースでも報道されま
した。大成建設等のスーパーゼネコンは目先の利益を追い、瓦礫やコンクリート、
津波で打ち上げら得た重金属をそのままに埋め立てようとしていますが、それを
環境保全の立場から微生物を使って土壌改良しながら復興しようとする梶栗会長
の路線と激しくぶつかっています。この調停の道を探すよう依頼されています。
また佐渡ヶ島の天然記念物トキの繁殖にとって水質の良さは絶対的要件ですが、
ここ2年佐渡出身の川久保さんが循環型社会開発協会の活性工法で酸性雨による
被害の多い山林を見事に蘇生させ、川の水質が良くなったと佐渡市で評価され、
今後全国展開する見通しも出てきました。

 日本一のダイバー水中工事第一人者の潜水工業の渋谷正信社長は去る6月18日、
HK総合TVの1時間番組「仕事の流儀、プロフェッショナル」
で紹介されまし
た。


)原子力問題

宇宙の究極エネルギー原子力が戦争の道具としてそのエネルギーの扉が開かれた
ことは人類にとって不幸なことであり、パンドラの箱を開けたように厄介な問題
を引き起こしています。太陽も地核のマグマ、人体も核融合で熱を発しており、
長期的には原子力開発は進めるべきでしょうが、原爆の鬼子、軽水炉原子力発電
はやめることが得策に思われます。ただ22兆円ものビジネス・モデルは民主党、
GEの利権も絡み、なかなか一筋縄では行かないようです。

トリウム発電はU.ウイグナー博士、ワインバーグ博士、西堀先生らにより安全
原発として推奨されましたが、「防衛戦力にならない、軽水炉発電の邪魔になる」
と米国では退けられて来ました。日本では経済的理由から空振りに終わりました。
Mr. トリウムこと, 古川和男博士も1960年代初頭4年間オークリッジで作動して
いた実験炉のミニチュア版を作ることに全力を注いでいらっしゃいましたが, 昨
年末, 癌で亡くなられました。今、先生の遺志を継ぐ人々とトリウム安全原発推
進のお手伝いを継続しています。
                               以 上           

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ご参考までに〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜    
 注1)

注2)「 “資本主義以後の世界”とは、どんな世界なのか 」(抄) 中谷 巌 
 「グローバルな競争激化が不可避的に生み出す所得や富の偏在を是正するには、
 市場での取引から実現する資源配分のみを「正義」と見なす「交換の思想」を改
 め、人類が昔から持っていた「贈与の思想」や「互助の思想」への転換が必要に
 なるだろう。これは、利己的な欲望の追求を認めてきた西洋近代思想に対して、
 根本的な価値観の転換を求めるものである。

 人間はいつ、利己的な欲求追求の手段としての市場至上主義を修正し、利他的
 な「贈与の精神」が組み込まれた社会システムに回帰できるのであろうか。もう
 一つ、「資本主義以後の世界」を構築する上で必要になるのは、何事も技術によっ
 て解決できるとする「過剰な技術信仰」や「自然は人間が管理すべきもの」とい
 う西洋的な自然観を改めることである。人間が自然の恵みに対してもっと「敬虔
 かつ謙虚」な気持ちを持つという意味での「自然観の転換」である。これがない
 限り、地球環境破壊はとどまるところを知らず、原子力のような人間が住む「生
 態圏」の中では制御不可能な技術に人間が振り回される状況が続くことになるだ
 ろう。

 問題はそれがいつのことになるのかということだ。それはすぐそこに迫ってい
 るのか、50年も先のことになるのか。これは誰にも正確に予測することはできな
 いが、世界経済の現状を見れば、いずれ「資本主義以後の世界」が訪れることは
 確実であり、そのときには、否が応でも我々の価値観の転換が不可避になる。世
 界経済の混迷ぶりを見るにつけ、我々はそろそろこの困難な問題に目を背けるこ
 となく、正面から立ち向かっていく覚悟が必要なのではないだろうか。」

 中谷 巌 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 理事長 ,一橋大学経済
       学部卒業。ハーバード大学Ph.D(経済学博士)を経て、大阪大学経済学
       部教授、一橋大学商学部教授を歴任。長(三菱UFJリサーチ&コンサル
       ティング株式会社ホームページから抜粋引用)
    
「21世紀への遺言:これだけは言っておきたい」  糸川英夫  
 1999年2月、86歳で逝去された氏が、病院にあって1996年初頭に書きあげた遺
 言の書。大生産力を支える環境がない、資源がない、マーケットがない。そして、
 職がない-しかし、“四無”を現実に救う道を日本人はすでに発見している-常に
 科学的に世界に先駆けた著者が、生命をかけた21世紀大予測。

 (1)人生は三分割法から24時間法へ!
  人生を学習時期、就労時期、退職後と三分割するのは卵からさなぎになる昆虫
  学的発想。一日24時間を分けて学習、体力づくり、社会的責任を果たすようにす
  れば高齢化問題は存在しなくなる。

 (2)ポピュレーション・セオリー:個人の幸せをあまり追求せず、人類全体の
  集団を考えてその幸せをすべて統合したものが一人の人間にある時に、その人は
  本当の意味の幸せだをつかんでいる。

 (3)資本主義の行き詰まりと商品弾性率分析
       
⇒資本主義は倫理観、道徳性を欠いている。
  商品の分類
   E1:衣食住,生活必需品,定量的 
   E2:工業製品・贅沢品,際限ない,プロセスカット
   E3:直接的情緒商品(サービズ)CD,TV,エアコン,ゲームソフト,セックス
   E4:他者との共生を通じた情緒的商品  
   *E2,E3はモラル上から危ない.E4の方向に人類の希望がある。

◎「人生で大切なのは、失敗の歴史である。」
◎「自分にできること」よりも、「世の中が求めていること」に 挑戦しつづけたほうが、人生も楽しい。
                                         糸川 英夫