一色宏「母への献詩」*ご参考までに!

      「幻の影を追いて」讃美歌510番

   

     母の日お目出とう御座います。                         
       2013年(平成25年)5月12日
                        尾脇準一郎
    

 誰しも母無くして、この地上に生を得た者は居ない。
母は自分の骨、血肉を与え、死ぬかと思うほどの陣痛に耐えて、新しい命を生
み出す。生きとし生けるものすべて、この母の無償の愛は普遍的である。子を
産めば精力尽きて、たちまち死を迎え、子の餌となって消えてゆく生物も多い。
如何にか弱き生物であっても子を守るために、個で守ることが出来なければ、
集団を形成してでも、命がけて子を守ろうとするのが母性本能である。

 子は母親から乳を啜り、成長する。幼き時は、母子は一体である。日本人は個人
主義の米国で生活をしても、自分が自殺しようとする時、子供を不憫に思い、道連
の無理心中することが多い。第2次大戦末期、集団自殺を実行し、一億玉砕まで
志向したのも、A級戦犯として処刑された人々をも合葬したのも、天皇一家、兄
や姉が誤っても一緒に弔ってあげたいという日本的情緒の自然の成り行きと言え
よう。誤った主体的責任は当時の指導者にあるとは言え、それに付き従ったのは
国民であった。 近代における戦争とは、特に第2次大戦等は何であったのか、
近隣諸国から、我々に厳しく問われているのは歴史認識である。この点、西原春
夫氏、松本健一氏の書籍に目を通すことをお薦めしたい。生前、山本七平氏も日
本人は空間軸の移動はできても、時間軸が無い民族だと指摘していた。皇国史
観も他の文化に無知な、井の中の蛙のお国自慢に過ぎない。これから脱皮する方
策の一つが、日本文化の普遍性を問うこと、中空構造(もの言わぬ神)、空、
無を媒介に当事者同士が向き合うことであろう。

日本の第2次大戦の最大の失敗は、日本の文化(価値観)を他国に軍事力で押し
つけたことである。それは二言目には、”自由・民主主義・人権“を唱え、自らその
正義と信じて疑わないアメリカ人とて同じである。彼らは圧倒的な軍事力、経済力
を背景に正義の押し売りを続けている。ベトナム戦争、イラク戦争でつまずいて
も、一向にこの信仰を捨てようとしない。それは最善でなくても、やむを得な
い次善策であると信じているからだ。

 世界を牛耳っているのは誰か?フリーメーソンとか、いろいろ言われて来たが、
公開された公文書を通じてその背後の勢力をあぶり出した衝撃的な本、
「国難の正 体」(馬渕睦夫 著)をぜひ一読されたい。 小生は我々の真の敵は
だれなのか? それは米国や、中国、北朝鮮でもなく、その背後にある者で、
実は自分自身との戦い、この世で最も困難な戦い、奪うことではなく、自分の
最も尊いものを与えるという犠牲的道であるからである。。これにつき、誤解を
招くことなく書くには、相当の時間とエネルギーを必要するので、項を改めて
諸氏に問いたいと思っている。

 母は子供の目線で見る。子がどんなに極悪非道な人間であっても、信じて守って
やらざるを得ないのが母の心情である。まさに母の慈愛は、小川の清流も汚物の
濁流をも呑みこみ、それを浄化する青い大海原であり、またすべての汚れを吸収し、
それを肥料に変え、万物を生かす大地にも似ている。小生は小林多喜二の母が
獄中の訪ねた折のエピソードに触れたとき胸が詰まった
(http://www.owaki.info/etc/haha/haha.html)。

 母の愛はイデオロギーを超えるものだと言うことをこれほど衝撃的に語った例
を知らない。また馬渕睦夫氏の『いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力』は、
造り変えて土着化していく力と述べている(http://www.e-gci.org/20120922.html)


 小生1980年代半ば、元韓国陸軍参謀総長、監査院院長が「日本の正体とは何か」
を研究に来日され、筑波大学学長室でその研究項目リストを見せらたことがある
(http://www.owaki.info/shiryo/Hwan.html)。黄永時氏が来日して探そうとしたものは、
馬渕大使の見出した「日本の力」に極めて近い。ついでながら真に日本の和の哲学を
探求するならば、大和信春氏の『和の実学』の一読をお薦めしたい。平易ではあるが
行き詰りに来た近代思想を超える日本の伝統の基づくビジョン、和道が説かれている
http://wagaku.gci21.org/902.html) http://hri001.fc2web.com/
その他、和の哲学参考のための資料:
「日本人の和の理念と実践」http://www.miraikoso.org/before/95mirai/95mirai.html
「日本再生の構想を語る」中條高徳http://www.miraikoso.org/before/92mirai/92mirai.html
「21世紀の世界倫理─和の再生」http://www.miraikoso.org/before/94mirai/94mirai.html

 
 いくら賛美しても足りない母の愛であるが、母の愛にも落とし穴がある。動
物でも子が生涯生きてゆくためには、母の愛から切り離して、一人立ちさせな
ければならない。人間においては種をくれた父に子を返すことである。
 子供が成人するに当たって重要なのは、子育ての母親の役割から、父親にバ
トンを渡すべきである。父親の役割は、子供が、何の為の人生か?その意味、
普遍を問う時、子供の良き相談相手となり、精神的成長を助けることである。
父親は妻子の衣・食・住の提供、家庭を防御することだけに終わることなく、
どのように広い地上世界を羽ばたけば良いのか、毅然として教えるか、それが
出来なければ、せめて相談相手、聴き手に徹し、子供が本当にやりたいこと
(使命)を見出す産婆役を務めるべきであろう。深層心理において母子の間の
蟠り(わだかまり:恨み・辛身)が解消(カタルシス)されれば、病気が治り、
元気を得る奇跡が、父子の蟠りが解消されれば、人生如何に生きべきか、命の
糧とも言うべき精神的真理を悟る衝撃的な出会いが待っていることを臨床心理
学者は数多くの事例から実証している。

 「幼い頃は、母親に似ているようであっても、息子だけではなく娘を含めて父親
に似て来る」と遺伝学者は述べている。エリー・コーヘン元イスラエル大使は、
その著、『大使が書いた日本人とユダヤ人』で、「天皇家は男性血統を守るべき
だと」述べ、その根拠として、「自分の名前、コーヘンはレビ族の一派だが、こ
の3500年もの間に世界に散らばったコーヘンと名のつく男性血統は、ルーツが同
じであることがDNA鑑定で証明された」と述べている。

 日本研究の内外の学者が、日本人の長所として審美的、環境に変化に対する
センシティビティー、自然(じねん)を挙げ、短所として普遍を描けないこと、
真偽や善悪を峻別しないで玉虫色の解決を図り、どんな罪や汚れも水に流せる
と思っていることを等を挙げている。

  隣りの韓国は真偽にうるさく、中国は善悪にうるさい。それもまた長所であ
り、また短所でもある。小生が近隣諸国との紛争を解決するにあたって、先日3
つの提案をなしたが、これは新しいパラダイム、哲学革命とも言うべき視点か
ら提案しているものであるが、これを説明するのは時を改めたい。その1つ、
比較文化論的アプローチは、日本の進路を拓くためにも安倍政権がぜひ身につ
けてもらいたい手法である。世界の紛争は価値観の相剋に因る。自らの信奉す
る価値観が絶対としてその主張を貫くために、武力をもってでもその主張を貫
こうとしている。そのために、 多くの命の犠牲、莫大な資金、エネルギーの浪
費、環境破壊が進行している。

 共生、共栄、これからは共義がさらに重要となってくるであろう。個の武力
や経済力による威圧でなく、どのような生き方が共に生きる道なのか、相手の
価値観を尊重した、辛抱強い合意に向けての努力が肝要である。小生が11年前、
新谷氏(当時、㈱日本総研創発センター長)と未来構想戦略フォーラムを創設
したのも、未来に視点を移して、イデオロギー、宗派、党派、国境を超えたフォー
ラムの必要性を痛感したからである。

「人間性への信頼を失ってはならない。人間性とは大海のようなものだ。ほんの
 少し汚れても、海全体が汚れることはない。」

「世界の不幸や誤解の四分の三は、敵の懐に入り、彼らの立場を理解したら消
え去るであろう。」

『もし、ただ一人の人間が最高の愛を成就するならば、それは数百万の人々の憎
 しみを打ち消すに十分である』

『「目には目を」という考え方では、世界中の目をつぶしてしまうことになる。』

「.敵と相対するときには、その敵を愛で征服しなさい。弱いものほど相手を許
すことができない。許すということは強さの証だ」   M. ガンジー  

  共に地上に生を受ける同志として、四季の変化に恵まれた美しい日本に生か
されている者として、この日本の繁栄を願い、犠牲になった多くの先人たちの遺志
を継いで、真に平和な日本、生きがい満ち溢れる日本、安全・安心で永続するする
日本にするために、自分は何ができるか?お互に頑張ろうではありませんか?
 
 そのためには、日本は単に世界の信義を期待するだけではなく、「日本は世界
平和にどのように貢献しようというのか」、世界平和への積極的国家ビジョン、
それを実現する戦略を早急に提示すべきであり、憲法の基本精神として謳うべき
であろう。

“And yet the same revolutionary beliefs for which our forebears fought
are still at issue around the globe: the belief that the rights of man
come not from the generosity of the state, but from the hand of God. We
dare not forget today that we are the heirs of the first revolution.
And so, my fellow Americans, ask not what your country can do for you;
ask what you can do for your country. My fellow citizens of the world,
ask not America will do for you, but together we can do for the freedom
of man.“       1961.1.20  John F. Kennedy

 母の日のお祝いに多少竜頭蛇尾の感があるかも知れませんが、ひとまずペンを
置きます。


母が詠める歌:

顔をふり歌う素ぶりの愛らしさ見惚れて刻の経つを忘れき
小走りに駆け来る孫の振りて おかっぱ頭の朝日に光る
ベランダに鳩とたわむる孫ふたり 抜き足近寄るしぐさ愛らし
よく遊びつかれし孫は眠りたり 軽きいびきは良き夢ならむ
孫たちと玉露取りて墨をすり 願いを託す七夕の夜
正月を祝う電話をかけおれば 片言混じりの声がする
久々に近況しらす孫の声 遠きに住みて電話かけくる

遠きに住める子等を思いて寄る窓に 浄(きよ)うに春の淡雪は舞う
ひとり居る老母へ好物の白和え作り 雨降る夜道を急ぐ
圧死した変わりし息子に母の想い 行火(あんか)で温め蘇生を願ふ

母に捧げる手紙
 この文章は、2世経営者研修会の助手として、長野県佐久市の貞祥寺(曹洞宗)に行った折、
座禅の合間に書いたものです。 
お寺の庭には特攻潜水艦「回天」が陳列されていました。
 お母さん、私の数々の危機に際し、命がけで身体をはって守って下さり、有難う!
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